
「いつかはランクル70に乗りたい」そう憧れを抱き続けてきた方は多いのではないでしょうか。2023年、ファン待望の「再々販」としてカタログモデルに復活したランドクルーザー70。発売直後から注文が殺到し、依然として高い人気を誇っています。
しかし、なぜ最新の快適なSUVが数多く存在する中で、基本設計が40年も前の車がこれほどまでに支持されるのでしょうか?「デザインが好きだけど、普段使いできるの?」「維持費や乗り心地は?」といった不安を感じている方もいるはずです。
この記事では、ランドクルーザー70が時代を超えて愛され続ける人気の理由を深掘りし、今回のモデルから採用されたAT(オートマチック)の実力や、購入前に知っておくべき注意点を徹底解説します。一時の流行ではない「本物」を選ぶための判断材料としてお役立てください。
この記事のポイント
- 時代に左右されない「丸目」クラシックデザインの魅力
- 世界最強レベルの悪路走破性と「生きて帰る」信頼性
- AT化とディーゼルエンジンの組み合わせが生む実用性
- 高いリセールバリューと所有することの資産的価値
なぜランドクルーザー70はこれほど人気なのか?
ランドクルーザー70が熱狂的に支持される背景には、単なる「懐古主義」ではない、現代の車が失ってしまった「道具としての純粋さ」があります。ここでは主な人気の理由を3つの視点から解説します。
人気の理由①:唯一無二のヘビーデューティーデザイン







- 丸目ヘッドランプの復活:2014年の再販時は角目でしたが、今回はファン待望の丸目LEDヘッドランプを採用し、原点回帰したデザインが絶賛されています。
- 機能美の極み:箱型のボディ形状は、見切りの良さや積載性という機能を追求した結果であり、流行に流されない強さがあります。
- 所有する喜び:街中ですれ違うだけで目を引く圧倒的な存在感は、オーナーの所有欲を深く満たしてくれます。
現代のSUVは空力性能や燃費を考慮して流線型になりがちですが、ランクル70はその真逆を行くスクエアなフォルムを維持しています。「変わらないこと」自体が最大の価値となり、ファッション感度の高い層から本格的なオフローダーまで幅広く支持されています。
人気の理由②:「信頼性」という絶対的なブランド

- ラダーフレーム構造:堅牢なはしご状のフレームが、過酷な路面からの衝撃を受け止め、ボディの歪みを防ぎます。
- 過酷な環境での実績:国連や赤十字、砂漠地帯や鉱山など、故障が命取りになる現場で選ばれ続けている実績があります。
- シンプルな構造:電子制御に頼りすぎない機械的な構造は、万が一の故障時でも修理がしやすく、長期間乗り続けることが可能です。
「壊れない」のではなく「壊れても直せる」、そして「必ず目的地にたどり着き、帰ってくることができる」。このトヨタが掲げる信頼性のコンセプトそのものが、不確実な現代において強い安心感としてユーザーに響いています。
人気の理由③:驚異的なリセールバリュー

- 値落ちしにくい:需要が供給を常に上回っており、中古車市場でも新車価格に近い、あるいは上回る価格で取引されるケースがあります。
- 海外需要の高さ:日本国内だけでなく世界中で需要があるため、走行距離が伸びても価値がゼロになることはほぼありません。
- 資産としての側面:単なる消費財ではなく、時計や不動産のように資産価値のある実用品として購入を決める層も増えています。
「再々販」モデルの進化と旧型との違い
今回のランドクルーザー70(GDJ76型)は、外見こそクラシックですが、中身は現代に合わせて大きな進化を遂げています。特にパワートレーンと安全装備の変更は、人気を加速させる大きな要因となっています。
ディーゼルターボ×6速ATの実力

- トルクフルな走り:2.8L直4ディーゼルターボ(1GD-FTV)は、低回転から太いトルク(500N・m)を発生させ、重い車体を軽々と加速させます。
- AT限定免許で乗れる:従来のMTのみというハードルがなくなり、6速AT(Super ECT)が採用されたことで、家族での共有や渋滞時の疲労軽減が可能になりました。
- 静粛性の向上:最新のクリーンディーゼル技術により、かつてのディーゼル車のような激しい振動や騒音は大幅に抑えられています。
これまで「MTの運転に自信がない」「妻が運転できない」という理由で諦めていた層が、今回のAT化によって一気に購入検討層へと流入しました。これが今回の爆発的な人気の直接的な引き金となっています。
現代基準の安全装備「Toyota Safety Sense」

- プリクラッシュセーフティ:歩行者(昼夜)や自転車(昼)を検知し、衝突回避を支援します。
- レーンディパーチャーアラート:車線逸脱を警報で知らせ、はみ出しを防ぎます。
- オートマチックハイビーム:夜間の視認性を確保しつつ、対向車への眩惑を防ぎます。
「クラシックカーに乗りたいが安全性は妥協したくない」という現代のユーザーニーズに対し、基本設計を変えずに先進安全装備を搭載したことは、トヨタの技術力の結晶と言えます。
最大トルク
燃費
ランクル70を選ぶ前に知っておくべき「覚悟」
どれほど人気でも、ランドクルーザー70は「普通の乗用車」ではありません。購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、理解しておくべき特有の注意点があります。
乗り心地と取り回しのリアル

- 跳ねる乗り心地:リアサスペンションに耐久性重視の「リーフスプリング(板バネ)」を採用しているため、空荷の状態では段差で跳ねやすく、後席の快適性は一般的なSUVに劣ります。
- 最小回転半径:6.3mという回転半径は、ミニバンや大型SUVと比べても非常に大回りです。狭い駐車場やUターンでは切り返しが必要になる場面が多いでしょう。
- 乗降性:車高が高いため、乗り降りには「よじ登る」感覚が必要です。小さなお子様や高齢の方にはサイドステップがあっても大変かもしれません。
維持・管理のポイント

- AdBlue(尿素水)の補充:クリーンディーゼルエンジンのため、定期的なAdBlueの補充が必要です。残量がなくなるとエンジンがかからなくなるため、管理が必須です。
- 1ナンバー登録:普通貨物車登録となるため、自動車税は安いですが、車検が毎年必要になります(初回は2年)。高速道路料金も中型車扱いとなる場合があり注意が必要です。
- 盗難リスク:世界的な人気車であるため、盗難リスクが極めて高い車種です。ハンドルロックや追加のイモビライザー、CANインベーダー対策など、強固なセキュリティ対策が必須となります。
まとめ

ランドクルーザー70の人気の理由は、単なるノスタルジーではなく、「変わらないことの価値」と「現代的な実用性」が見事に融合した点にあります。
- 流行に流されない、本質的な道具としてのデザインと機能美
- 「生きて帰る」ための圧倒的な信頼性と耐久性
- AT化と安全装備によって実現した、日常使いできるヘビーデューティー
もしあなたが、快適で至れり尽くせりな移動空間を求めているなら、ランドクルーザー250や300、あるいはハリアーの方が満足度は高いでしょう。しかし、「不便さを愛せる」「車と共に人生を冒険したい」「一生モノの相棒が欲しい」と考えるなら、ランドクルーザー70は他には代えがたい最高の選択肢となります。
現在も納期は長期化傾向にありますが、その待つ時間さえも楽しみに変えてくれる。ランドクルーザー70は、そんな不思議な魅力を持った車なのです。