
「憧れのシビックタイプR(FL5)に乗りたい。でも、家族を乗せるファミリーカーとしても使わなければならない…」そんなジレンマを抱えていませんか?サーキット最速を誇るスポーツカーでありながら、4ドアハッチバックという実用的なパッケージを持つ新型シビックタイプR。果たして、妻や子供からの理解は得られるのでしょうか?
この記事では、実際に購入を検討するパパドライバーに向けて、スペック表からは見えない「日常使いのリアル」を徹底解説します。乗り心地、燃費、そして意外な落とし穴であるサイズ感まで、家族会議を突破するための判断材料を提供します。
この記事のポイント
- 新型シビックタイプR(FL5)はモード切替で「快適なファミリーカー」に変貌する
- 後部座席の居住性とラゲッジ容量は、一般的なCセグメントハッチバックと同等以上
- 実燃費は街乗り9〜10km/L前後と、スポーツカーとしては優秀な部類
- 最大の懸念点は「全幅1,890mm」のサイズと「最小回転半径5.9m」の取り回し
新型シビックタイプR(FL5)は「最強のファミリーカー」になり得る

結論から言えば、新型シビックタイプRは十分に日常使いが可能であり、条件さえ合えば「刺激的なファミリーカー」として機能します。先代(FK8)と比較しても、FL5はボディ剛性の向上とサスペンションの熟成により、日常域での快適性が飛躍的に向上しています。
特に重要なのが「ドライブモード」の存在です。「+R」モードではサーキット仕様の硬さになりますが、「COMFORT」モードを選択すれば、角の取れたしなやかな乗り心地に変化します。多くのオーナーが「これなら家族を乗せても文句は出ない」と評価しており、スポーツカー特有の不快な突き上げは最小限に抑えられています。ただし、あくまで「スポーツカーとしては」という前提条件付きであることは忘れてはいけません。
日常使いにおける「○」と「×」
- ○ 圧倒的な所有満足感: 駐車場に停まっている姿を見るだけで仕事への活力が湧きます。
- ○ 意外なほどの積載性: ベビーカーや週末のまとめ買いも余裕で飲み込む広い荷室。
- ○ アダプティブダンパー: 家族乗車時はCOMFORT、一人の時はSPORTと使い分けが可能。
- × 駐車場の制約: 全幅1,890mmは多くの機械式駐車場でNG。古いコインパーキングも苦手。
- × 最小回転半径: 5.9mという数値は、Uターンや狭い路地でミニバン以上に気を使います。
- × 4人乗り: 5人家族の場合、物理的に選択肢から外れます。
【乗り心地】家族から不満は出ない?コンフォートモードの実力

「乗り心地が硬すぎて子供が酔う」「段差のたびに妻が不機嫌になる」。これらはスポーツカー乗りの共通の悩みですが、FL5においてはこのリスクはかなり低減されています。
家族を説得できる3つの理由
- 「COMFORTモード」の魔法: 電子制御ダンパーが減衰力を調整し、街中のマンホールや継ぎ目の衝撃を上手くいなしてくれます。ゴツゴツ感は残りますが、不快な振動(ハーシュネス)は徹底的に抑えられています。
- 安心感のあるシート: 前席のバケットシートはホールド性が高いだけでなく、クッション性も確保されています。後部座席も専用設計で、深めの座り心地が体を安定させるため、カーブでも体が振られにくく、結果として車酔いしにくいという声もあります。
- 静粛性の向上: 「アクティブサウンドコントロール」により、COMFORTモードでは排気音も控えめになります。会話を遮るようなノイズはなく、オーディオや会話を楽しみながらのドライブが可能です。

【実用性】スーパーの買い物から旅行まで。積載量と燃費
「速い」だけでは生活できません。家計を預かるパートナーにとって重要なのは、燃費やどれだけ荷物が載るかという実用性です。
意外と優秀な燃費性能

カタログ燃費(WLTCモード)は12.5km/L。ハイブリッド車には及びませんが、330馬力のハイパワーターボ車としては驚異的な数値です。
- 街乗り: ストップ&ゴーが多い環境でも8〜10km/L程度。
- 高速道路: クルーズコントロールを使って巡航すれば、13〜15km/L伸びることも珍しくありません。「昔のスポーツカーみたいにリッター5kmなんてことはないよ」と伝えれば、説得材料の一つになるでしょう。
驚きの積載能力

ベースがシビック(ハッチバック)であるため、荷室の使い勝手は抜群です。
- 開口部が広い: リアゲートが大きく開くため、荷物の出し入れが容易です。
- 容量: 後席使用時でも約410Lを確保。Lサイズのスーツケース2個や、1週間分の食料品の買い出しも余裕です。
- シートアレンジ: 6:4分割可倒式の後席を倒せば、長尺物やゴルフバッグ、さらにはタイヤ4本も積載可能です。「IKEAの家具もこれなら運べる」という事実は、強力なアピールポイントになります。
【注意点】購入前に確認必須!駐車場と取り回しの「リアル」


ここまでメリットを強調してきましたが、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しやすいポイントが2つあります。それは「サイズ」と「取り回し」です。ここは包み隠さずパートナーと共有しておくべきです。
全幅1,890mmの壁
FL5のボディサイズは全長4,595mm×全幅1,890mm×全高1,405mm。特に全幅1,890mmは、トヨタのアルファード(1,850mm)やランドクルーザープラド(1,885mm)よりも幅広です。
- 機械式駐車場: 一般的なパレット幅(1,850mm以下)には入りません。都市部のマンション住まいの方は、駐車場の規格確認が必須です。
- ドアパンチのリスク: 狭いスーパーの駐車場では、白線いっぱいに停めることになり、隣の車からのドアパンチのリスクが高まります。遠くの空いている場所に停めて歩く、といった配慮が日常的に求められます。
最小回転半径5.9mの洗礼
この数値は大型ミニバンや大型SUVと同等以上です。片側1車線の道路でのUターンは、一発では決まらないことが多いです。
- 狭い路地: 生活道路の曲がり角で切り返しが必要になる場面があります。
- 妻の運転: 「私が運転してスーパーに行くのは怖い」と言われる可能性が高いポイントです。バックモニターやセンサーは充実していますが、物理的な小回りの効かなさは慣れが必要です。
まとめ

新型シビックタイプR(FL5)は、圧倒的な走行性能を持ちながら、日常使いを犠牲にしない稀有なスポーツカーです。
- 乗り心地: COMFORTモードなら家族も納得のレベル。
- 実用性: 荷物はたくさん載り、燃費も現実的。
- 注意点: 幅の広さと小回りの効かなさは覚悟が必要。
「家族のための実用性」と「自分のための夢」を高い次元で両立できる車はそう多くありません。駐車場の問題さえクリアできれば、FL5はあなたの日常を劇的に彩る最高のパートナーになるはずです。ぜひ一度、家族揃ってディーラーで実車を確認し、その「広さ」と「快適さ」を体感してみてください。