
「本格SUVに乗りたい。でも、ランドクルーザーは大きすぎるし、価格もちょっと…」そう感じたことはありませんか?
ランドクルーザーFJは、2026年5月14日に日本で正式発売されました。国内仕様のグレードは「VX」の1グレードのみで、乗車定員は5人、駆動方式はパートタイム4WDです。エンジンは2TR-FE型2.7L直列4気筒ガソリン、トランスミッションは6 Super ECTを搭載します。
メーカー希望小売価格は4,500,100円です(沖縄地区は価格が異なります)。この価格にはリサイクル料金、登録時の諸費用、販売店装着オプションの費用は含まれていません。
個性的でレトロなルックスから「かつてのFJクルーザーの再来か?」という声や、「ランドクルーザー250と何が違うのか」という疑問の声も少なくありません。ランクルファミリーの中でランドクルーザーFJがどのような立ち位置にあり、どんな役割を担うモデルなのかを知りたい方は多いでしょう。
この記事では、正式発売されたランドクルーザーFJの公式スペックと価格を整理したうえで、ランドクルーザー250・70・300との違い、そして先代「FJクルーザー」との関係を、トヨタの公式発表に基づいて解説します。結論から言えば、FJは250の下位互換ではなく、扱いやすいサイズと「Freedom&Joy」を特徴とする新しい選択肢です。
この記事のポイント
- ランドクルーザーFJに込められた「Freedom&Joy」の意味
- 250、70、300とは異なるFJの役割と立ち位置
- 全長4,575mm、全幅1,855mmの扱いやすいボディサイズ
- 国内仕様VXの価格4,500,100円と正式な主要スペック
- FJクルーザーやランドクルーザー250との違い
ランドクルーザーFJはどのクラスに位置するのか
トヨタは現行のランドクルーザーシリーズを、300(ステーションワゴン)、70(ヘビーデューティー)、250(中核モデル)と説明しています。ランドクルーザーFJは、この3シリーズに新たに加わったシリーズです。
FJは300・70・250に加わった新たなシリーズ
ランドクルーザーFJは2025年10月21日に世界初公開され、Japan Mobility Show 2025で一般公開された後、2026年5月14日に日本で発売されました。ランドクルーザーシリーズの中では最もコンパクトなボディサイズを持つモデルです。
全長4,575mm、ホイールベース2,580mmというサイズは、都市部での取り回しを考慮して設計されています。一方で、ラダーフレーム構造や4WDシステムなど、ランクル伝統の本格的なメカニズムは堅持されています。
「Freedom&Joy」に込められた意味
かつての「FJクルーザー」の「FJ」が、エンジン型式(F型エンジン)とJeep型ボディを意味していたのに対し、新型ランドクルーザーFJの「FJ」には「Freedom&Joy(自由と喜び)」という開発思想が込められています。
トヨタはこのモデルを、さまざまなライフスタイルを持つユーザーが、どこへでも行ける「自由」を手にし、多様な「楽しみ方」で人生を豊かに彩るクルマと位置づけています。過酷な環境での使用を主眼とするヘビーデューティーなモデルとは異なる、新しいランクル像といえます。
公式には250の下位モデルと分類されていない
ランドクルーザーFJは、ボディサイズや価格の面ではランドクルーザーシリーズの中で最も選びやすいモデルです。ただし、トヨタがFJを公式に「250の下位グレード」や「ライトデューティーの下位クラス」と分類しているわけではありません。
本記事で扱う「クラス」という言葉は、公式な分類ではなく、サイズ・価格・用途から見た本記事独自の整理である点にご注意ください。
ランドクルーザーFJの価格と正式スペック
国内価格は4,500,100円
国内仕様はVXの1グレードのみで、メーカー希望小売価格は4,500,100円です(沖縄地区は価格が異なります。リサイクル料金、登録諸費用、販売店装着オプションは別途必要です)。
VXには、Toyota Safety Sense、パノラミックビューモニター、ブラインドスポットモニター、12.3インチディスプレイオーディオ、ルーフレール、サイドステップ、スキッドプレート、背面スペアタイヤ、電動リヤデフロック、ダウンヒルアシストコントロール(DAC)、ヒルスタートアシストコントロール(HAC)が標準装備されます。
2.7Lガソリンとパートタイム4WDを採用
主要スペックは次のとおりです。
| 項目 | ランドクルーザーFJ(VX) |
| 全長 | 4,575mm |
| 全幅 | 1,855mm |
| 全高 | 1,960mm |
| ホイールベース | 2,580mm |
| 最小回転半径 | 5.5m |
| 乗車定員 | 5人 |
| 駆動方式 | パートタイム4WD |
| エンジン | 2TR-FE型 2.7L直列4気筒 自然吸気ガソリン |
| 最高出力 | 120kW(163PS) |
| 最大トルク | 246N・m(25.1kgf・m) |
| トランスミッション | 6 Super ECT |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| WLTCモード燃費 | 8.7km/L |
| 価格 | 4,500,100円 |
IMV系ラダーフレームとGA-Fの違い
ランドクルーザーFJは、GA-Fプラットフォームではありません。トヨタは、悪路でも高い信頼性を誇るIMVシリーズで鍛えたプラットフォームを、FJのボディサイズに合わせて刷新して採用していると説明しています。
一方、ランドクルーザー250はGA-Fプラットフォームを採用しており、両車は異なる基盤を使用しています。いずれもラダーフレーム構造を持つ点は共通していますが、設計のベースが異なる点には注意が必要です。


ランドクルーザーFJと250の違い

エクステリアデザイン



インテリアデザイン



ランドクルーザーFJの購入を検討する際、多くの人が迷うのが、より大型で中核モデルであるランドクルーザー250との比較でしょう。どちらも本格的なラダーフレームSUVですが、開発の目的もボディサイズも異なります。
ボディサイズと取り回し
| 項目 | ランドクルーザーFJ | ランドクルーザー250 |
| 全長/全幅/全高 | 4,575 / 1,855 / 1,960mm | 4,925 / 1,980 / 1,925mm |
| ホイールベース | 2,580mm | 2,850mm |
| 最小回転半径 | 5.5m | 5.8m |
ランドクルーザーFJは、250と比べて全長で約350mm、全幅で約125mm、ホイールベースで270mmコンパクトです。最小回転半径も5.5mと250の5.8mより小さく、街中での取り回しに配慮した数値になっています。
ただし、全長と全幅は250よりコンパクトでも、全高は1,960mmあります。機械式の立体駐車場では、高さや重量、タイヤ外幅などの制限に適合しない可能性があるため、利用前に必ず駐車場の規格を確認してください。「コンパクトだから立体駐車場でも必ず使いやすい」とは一律に言えない点にご注意ください。
乗車定員と荷室
ランドクルーザーFJの乗車定員は5人です。ランドクルーザー250は、グレードによって5人乗り(GX)または7人乗り(VX・ZX)を選択できます。
荷室は、通常使用時の荷室長が最小735mm、リヤシート格納時は最大1,480mm、荷室高は1,030mmです。荷室容量はVDA法による社内測定値で、通常時795L、リヤシート格納時は1,607Lとなっています。ランドクルーザー250は3列シートを含む複数のシートアレンジがあり、測定条件もFJとは異なるため、荷室容量の単純比較は避け、用途に応じてトヨタ公式カタログで確認することをおすすめします。
エンジンと燃費
| 項目 | FJ | 250(ガソリンVX) | 250(ディーゼル) |
| エンジン | 2.7L直4ガソリン(2TR-FE型) | 2.7L直4ガソリン(2TR-FE型) | 2.8L直4ディーゼル(1GD-FTV型) |
| 最高出力 | 120kW(163PS) | 120kW(163PS) | — |
| トランスミッション | 6 Super ECT | 6 Super ECT | Direct Shift-8AT |
| 駆動方式 | パートタイム4WD | フルタイム4WD | フルタイム4WD |
| WLTCモード燃費 | 8.7km/L | 7.5km/L | 11.0km/L |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | レギュラーガソリン | 軽油 |
興味深いことに、FJと250のガソリン車は最高出力・最大トルクともに同じ数値(163PS/246N・m)の2.7Lエンジンを搭載しています。それでもWLTCモード燃費に差があるのは、車重やボディサイズ、駆動方式(パートタイム4WDとフルタイム4WDの違い)が影響していると考えられます。
250のディーゼル仕様は燃費面で有利ですが、使用する燃料が軽油である点はガソリン車と異なります。年間の燃料費は走行距離や実燃費、地域の燃料価格によって変わるため、購入価格だけで「どちらが総合的にお得か」を断定することはできません。
自動車税は、2026年7月時点の税率で2.7L・2.8Lのいずれも「2.5L超〜3.0L以下」区分の年額50,000円です。税率は初度登録時期や制度改正によって変わる可能性があるため、購入時点で最新情報を確認してください。
悪路走破性と装備
トヨタによると、ランドクルーザーFJは250と同等の地上高およびアプローチアングルを確保しています。デパーチャーアングルは250比で15度大きく、70と同等のホイールアーティキュレーション(タイヤの追従性)を確保しているとされています。
VXグレードには、電動リヤデフロック、ダウンヒルアシストコントロール(DAC)、ヒルスタートアシストコントロール(HAC)が標準装備されます。ホイールベースは250より270mm短い2,580mm、最小回転半径は5.5mで、これらの数値はオフロードでのアプローチ性と街中での小回りの両方に関わってきます。
これらの違いは、どちらが総合的に優れているというより、車体サイズと装備構成の違いとして捉えるのが適切です。
価格と用途
国内仕様はFJがVXの1グレードで4,500,100円です。ランドクルーザー250は、2026年4月の一部改良によりガソリンVX(7人乗り)が577万9,400円で受注を再開しています(2026年7月時点)。ディーゼル仕様のGX・VX・ZXは一時的に受注を停止しており、2026年12月以降の発売が予定されています。
FJは250のガソリンVXより低い価格で設定されていますが、250は複数グレード・複数パワートレーンを持ち、装備内容や車格も異なります。登録諸費用や販売店装着オプションを含めた支払総額も変わるため、価格差だけで優劣を決めるのではなく、必要な乗車定員やシート構成、用途に合わせて選ぶことをおすすめします。
ランドクルーザーFJとFJクルーザーの違い
「ランドクルーザーFJ」という名前を聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、個性的なデザインで根強いファンを持つ先代「FJクルーザー」でしょう。両車は40系ランドクルーザーをオマージュしたレトロモダンなデザインが共通していますが、開発思想や中身は異なります。
名称と開発コンセプト
先代FJクルーザーの「FJ」は、エンジン型式(F型エンジン)とJeep型ボディを意味していました。一方、新型ランドクルーザーFJの「FJ」は「Freedom&Joy(自由と喜び)」の頭文字です。同じ「FJ」でも、込められた意味は異なります。
サイズとパワートレーン
| 比較項目 | ランドクルーザーFJ | FJクルーザー(先代) |
| 発売時期 | 2026年5月14日(現行) | 2010年12月〜2018年1月(生産終了) |
| 全長 | 4,575mm | 4,635mm |
| 全幅 | 1,855mm | 1,905mm |
| 全高 | 1,960mm | 1,840mm |
| ホイールベース | 2,580mm | 2,690mm |
| 最小回転半径 | 5.5m | 6.0m |
| 乗車定員 | 5人 | 5人 |
| エンジン | 2.7L直4ガソリン(120kW/163PS) | 4.0L V6ガソリン(203kW/276PS) |
| トランスミッション | 6 Super ECT | 5 Super ECT |
| 駆動方式 | パートタイム4WD | パートタイム4WD |
| プラットフォーム | IMVシリーズで鍛えたラダーフレーム構造のプラットフォームを刷新 | 120系ランドクルーザープラド系プラットフォーム |
| バックドア | 背面スペアタイヤ付き横開き式 | 背面スペアタイヤ付き横開き式 |
新型ランドクルーザーFJは、FJクルーザーよりも全長・全幅・ホイールベースのいずれも小さく、よりコンパクトです。一方、全高はFJのほうが120mm高くなっています。エンジンはFJクルーザーの4.0L V6から、FJでは2.7L直4へと変更されており、出力よりも扱いやすさやコストを重視した構成です。バックドアはいずれも背面スペアタイヤ付きの横開き式で、この点は共通しています。
デザインと装備
デザイン面では「サイコロ」をモチーフとしたスクエアなボディと、角をそぎ落とした面構成が特徴です。国内市販仕様VXの標準車は、コの字型デザインのヘッドランプを採用しています。歴代ランドクルーザーを想起させる丸目型ヘッドランプは、ワールドプレミア時点でカスタマイズ用品の選択肢として紹介されたもので、標準デザインではありません。
装備面では、VXにルーフレール、サイドステップ、スキッドプレートなどが標準装備され、カスタマイズの自由度を高めるモールパネルなど、アクティブなユーザーのニーズに応える設計が随所に見られます。丸目型ヘッドランプを含むカスタマイズ仕様は、ワールドプレミア時に参考イメージとして公開されたものです。



FJ・250・70・300の選び方





ランドクルーザーFJ、250、そしてFJクルーザー。それぞれに魅力があり、選択に迷うのは当然です。以下は、用途別に整理した目安です(トヨタの公式な序列ではなく、本記事独自の整理である点にご留意ください)。
- 5人乗りで扱いやすいサイズの本格オフローダーを求める人にはFJが適しています。
- 3列シート、ディーゼルエンジン、より広い室内を重視する場合は250が候補になります。
- 業務用途や極限環境での耐久性を最優先するなら、ヘビーデューティーの70が候補です。
- フラッグシップとしての装備や快適性を求めるなら、ステーションワゴンの300が候補です。
工場出荷時期や受注状況は、販売店、地域、注文時期によって異なります。トヨタはランドクルーザーFJの月販基準台数を1,300台と公表していますが、この数字から個別の納期を推測することはできません。最新の状況は、トヨタ公式の工場出荷時期案内または販売店で確認してください。
主要スペック比較表
| 項目 | ランドクルーザーFJ | ランドクルーザー250(ガソリンVX) | FJクルーザー |
| 販売状況 | 現行モデル | 現行モデル | 生産終了(中古車のみ流通) |
| 発売時期 | 2026年5月14日 | 2024年4月18日(2026年4月一部改良) | 2010年12月〜2018年1月 |
| 新車価格 | 4,500,100円 | 5,779,400円(2026年7月時点) | —(生産終了) |
| ボディサイズ | 4,575×1,855×1,960mm | 4,925×1,980×1,925mm | 4,635×1,905×1,840mm |
| ホイールベース | 2,580mm | 2,850mm | 2,690mm |
| 乗車定員 | 5人 | 7人(GXのみ5人) | 5人 |
| エンジン | 2.7L直4ガソリン | 2.7L直4ガソリン/2.8L直4ディーゼル | 4.0L V6ガソリン |
| トランスミッション | 6 Super ECT | 6 Super ECT/Direct Shift-8AT | 5 Super ECT |
| 駆動方式 | パートタイム4WD | フルタイム4WD | パートタイム4WD |
| プラットフォーム | IMVシリーズで鍛えたラダーフレーム構造のプラットフォームを刷新 | GA-Fプラットフォーム | 120系ランドクルーザープラド系プラットフォーム |
| 最小回転半径 | 5.5m | 5.8m | 6.0m |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | レギュラーガソリン/軽油(ディーゼル) | レギュラーガソリン |
| 特徴 | コンパクトな5人乗り、Freedom&Joyの新シリーズ | 3列シート選択可、電子制御技術で快適性重視 | レトロデザインの個性派、現在は中古車市場のみ |
(Freedom&Joy)
(ガソリンVXのみ受注中)
(2010〜2018年)
| 新車価格 | 4,500,100円 | 5,779,400円 (2026年7月時点) | 生産終了・中古車流通 |
|---|---|---|---|
| 乗車定員 | 5人 | 5人/7人 | 5人 |
| 主要エンジン | 2.7L ガソリン | 2.8Lディーゼル /2.7Lガソリン | 4.0L ガソリン |
| プラットフォーム | IMV系 ラダーフレーム | GA-F | 120系プラド系 |
| 用途イメージ | 街乗り+週末の アウトドア | ファミリーでの 多人数移動 | 個性・カスタム 重視 |
まとめ:ランドクルーザーFJの立ち位置を正しく理解する

新型ランドクルーザーFJは、既存モデルの穴埋めではなく、ランドクルーザーの歴史に「Freedom&Joy」という価値観と、扱いやすいコンパクトなサイズをもたらす新たなシリーズです。
- ランドクルーザーFJは2026年5月14日に発売され、価格は4,500,100円(VX、沖縄地区を除く、諸費用別)です。
- VX・5人乗り・2.7Lガソリン・パートタイム4WDというシンプルな構成です。
- 250より全長で約350mm、全幅で約125mm、ホイールベースで270mmコンパクトです。
- IMVシリーズで鍛えたラダーフレーム構造のプラットフォームを刷新して採用しています(250はGA-Fプラットフォーム)。
- 最小回転半径は5.5mです。
- 5人乗りと扱いやすいサイズを重視する人にはFJが、7人乗り・ディーゼル・より広い室内を重視する人には250が適しています。
- 70や300とは、用途や役割が異なるモデルです。FJは公式に250の下位モデルと分類されているわけではありません。