
メルセデス・ベンツの電気自動車の中で、比較的コンパクトなSUVに位置付けられるのがEQAとEQBです。両車はデザインに共通性がある一方、EQAは5人乗りの取り回しやすいモデル、EQBは3列7人乗りに対応する実用性重視のモデルという違いがあります。
「初めてのEVとしてベンツを検討しているけれど、EQAとEQB、どちらを選べばいいのか分からない」
「デザインは似ているけれど、本当の違いは何?」
「3列シートのEQBは本当に使えるの?」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。EQAはGLA、EQBはGLBをベースとする電気自動車で、同じメルセデスのコンパクトSUV群に属します。ただし、ボディサイズ、ホイールベース、乗車定員、荷室の設計には明確な違いがあります。
本記事では、日本仕様のEQA 250+とEQB 250+を中心に、ボディサイズ、乗車定員、荷室、航続距離、価格の違いを比較します。
この記事のポイント
- スタイリッシュな「EQA」と積載・多人数乗車の「EQB」、サイズ・乗車定員の違い
- 最新モデル(250+)での航続距離とバッテリー性能
- 3列シートの有無だけではない、後席の快適性と荷室容量の比較
- 取り回し重視のEQAと、室内空間重視のEQB、それぞれの特性の違い
EQAとEQBの基本コンセプトとデザインの違い
まずは、この2台が目指した方向性の違いを明確にしましょう。EQAは全長4,465mm、EQBは4,685mmで、EQBのほうが220mm長くなります。全幅はいずれも1,835mmですが、狭い駐車場や縦列駐車では、全長が短く全高も低いEQAのほうが扱いやすく感じられる可能性があります。
曲線的でスタイリッシュな都市型SUV「EQA」
- キーワード:都会的、流麗、パーソナル
- 向いている用途:日常使いのパーソナルユース、デザイン重視の方
- デザイン特徴:ルーフラインがなだらかに下がるシルエット
EQAは、ベースとなった「GLA」同様、都市に映えるスタイリッシュなプロポーションが魅力です。特にマイナーチェンジ後のモデルでは、フロントグリルに無数のスリーポインテッド・スターを散りばめた「スターパターン」のブラックパネルを採用し、より先進的で煌びやかな顔つきになりました。
EQAは滑らかな曲面やクーペのようなサイドウインドウを採用した、スタイリッシュな都市型SUVです。EQBより全長が短く、全高も低いため、見た目にも比較的コンパクトにまとまっています。

スクエアで力強い実用SUV「EQB」
- キーワード:タフ、多用途、ファミリー
- ターゲット:子育て世代、アウトドア趣味、多人数乗車が必要な方
- デザイン特徴:後端まで水平に伸びたルーフと垂直に近いリアゲート
一方のEQBは、「GLB」をベースとしたスクエアなボクシー・スタイルが特徴です。Gクラスから続くメルセデスの「実用的な四角いクルマ」の系譜を感じさせます。
見た目の迫力やタフさを演出しつつ、この形状は室内の頭上空間を確保するための機能美でもあります。「キャンプ道具をたくさん積みたい」「子供の送り迎えで広さが欲しい」というニーズに応える一台です。

| 比較項目 | メルセデス・ベンツ EQA 250+ | メルセデス・ベンツ EQB 250+ |
| 全長 | 4,465mm | 4,685mm |
| 全幅 | 1,835mm | 1,835mm |
| 全高 | 1,610mm | 1,705mm |
| ホイールベース | 2,729mm | 2,829mm |
| 乗車定員 | 5名 | 7名 |
| 荷室容量 | 340~1,320L | 110~1,620L |
| 一充電走行距離(WLTCモード) | 591km | 557km |
| 駆動方式 | 前輪駆動 | 前輪駆動 |
| 最高出力 | 140kW(190PS相当) | 140kW(190PS相当) |
| 最大トルク | 385N・m | 385N・m |
| 形状 | 曲線的な5人乗りSUV | スクエアSUV |
※数値は日本仕様のEQA 250+およびEQB 250+(2026年7月確認時点)。荷室容量はVDA方式。EQBの最小値110Lは3列目使用時を含む。航続距離はWLTCモードの一充電走行距離で、気温、エアコン使用、走行条件などにより実際の距離は変動する。
居住性とユーティリティ:EQAの快適空間とEQBの3列シート
EQAとEQBを比較する上で、最大の分かれ道となるのが「室内空間」と「乗車定員」です。ここは購入後の満足度を大きく左右するポイントですので、詳しく見ていきましょう。
パーソナル空間として完結する「EQA」
- 必要十分な後席スペース
- プライバシー性の高い空間
- 荷室の使い勝手
EQAは5人乗り仕様のみです。2列目シートのスライド機能はありませんが、ベースのGLA同様、大人4人が移動できるスペースは確保されています。
公式サイトに掲載される荷室容量は、EQAが340~1,320L、EQBが110~1,620Lです。EQBの110Lは3列目を使用した状態を含む最小容量で、3列目を格納すれば荷室を拡大できます。最大容量ではEQBがEQAを300L上回ります。
ただし、EQBは7人乗車時には荷室が限られるため、「7人乗れて荷物も十分積める」とは限りません。多人数乗車と大容量荷室を同時に必要とする場合は、実車で荷室を確認する必要があります。
2人程度の旅行や日常の買い物ではEQAでも対応しやすい容量ですが、ベビーカー、大型スーツケース、キャンプ用品などを頻繁に積む場合はEQBが有利です。

3列7人乗りに対応するEQB
- 3列目シートの存在
- 2列目シートの前後スライド機構
- 3列目格納時の広い荷室高さ
EQBの特徴は、このクラスのEVとしては珍しい「7人乗り(3列シート)」が設定されていることです。
メーカー資料では、3列目の利用者について身長165cm以下を目安とする案内があります。3列目は前後席より空間が限られるため、主に子どもや短距離移動向けとして、実車で乗降性と足元空間を確認することが重要です。
また、EQBの2列目シートは前後140mmのスライド機構を備え、3列目の足元空間と2列目の居住性、荷室の広さを用途に応じて配分できます。3列目を使用しない場合は、2列目を後方に設定することで足元に余裕を持たせられます。

航続距離と走行性能:バッテリー増強でどう変わった?
EV選びで気になる「航続距離」と「走り」。最新モデルではバッテリー容量が増加し、実用性が向上しています。
最新モデル「250+」の進化
- バッテリー容量の増加(66.5kWh → 70.5kWh)
- 航続距離の延長
- 充電利便性の向上
EQA 250+とEQB 250+は、従来型からバッテリー容量や効率が改善され、航続距離が延長されました。EQBの70.5kWhという容量は、メルセデス・ベンツ日本の公式サイトでは同仕様のバッテリーを採用する欧州仕様車の参考値として案内されています。
これにより、WLTCモードの一充電走行距離は以下のようになりました。
- EQA 250+:591km
- EQB 250+:557km
WLTCモードの一充電走行距離は、EQA 250+が591km、EQB 250+が557kmで、カタログ値ではEQAが34km長くなります。ただし、実際の航続可能距離は、外気温、速度、エアコンや暖房の使用、積載量、充電状態などによって変動します。
34kmの差だけで購入車を決めるより、乗車人数、荷室、駐車環境、充電設備を優先して判断するのが現実的です。
両車とも普通充電のAC200VとCHAdeMO急速充電に対応します。メーカー公表の目安では、90kWタイプのCHAdeMOで残量10%から80%まで、EQAは約50分、EQBは約51分です。50kWタイプではEQAが約79分、EQBが約78分とされています。
ただし、充電器の出力、バッテリー温度、残量、施設側の制限などにより、実際の充電速度は変化します。また、e-Mobility Powerネットワークの急速充電器では、1回30分で充電が終了する場合があります。

走りのキャラクターの違い
- 軽快な印象のEQA
- ゆったりとした印象のEQB
両車の前輪駆動モデルは、最高出力140kW、最大トルク385N・mで共通です。一方、EQAはEQBより全長が短く、車重も軽いため、取り回しや車体の軽快感を重視する人に向いています。
EQBはEQAより全長とホイールベースが長く、車重も増えるため、軽快さよりも室内空間や多人数乗車への対応を重視したモデルです。ただし、乗り心地やステアリングの感覚はタイヤサイズ、AMGラインパッケージ、路面状況などでも変わるため、最終的には試乗で確認してください。
価格と装備の比較

最後に、コストパフォーマンスと装備面を確認します。
車両本体価格の差
(※価格は2026年7月確認時点のメーカー希望小売価格(消費税込み)を基準とします。オプション装備・登録諸費用等は含みません)
- EQA 250+:771万円〜
- EQB 250+:815万円〜
2026年7月確認時点のメーカー希望小売価格は、EQA 250+が771万円、EQB 250+が815万円で、差額は44万円です。
ただし、オプション装備、登録諸費用、充電設備の設置費、販売店独自の価格、購入時期による価格改定などは含まれません。最新価格と納期は正規販売店で確認してください。
EQB 250+はEQA 250+より44万円高い設定ですが、その代わりに全長の長いボディ、3列7人乗り、最大荷室容量の大きさといった実用面の違いがあります。
なお、本記事では価格と航続距離が近いEQA 250+とEQB 250+を中心に比較しています。EQBには、四輪駆動でより高出力なEQB 350 4MATICも設定されています。雪道での走行機会や動力性能を重視する場合は、EQB 350 4MATICも比較対象になります。最新の価格・出力・航続距離は正規販売店または公式サイトでご確認ください。
装備面の共通点
両車ともMBUXや運転支援機能を備えますが、標準装備とオプション装備、選択できるパッケージはモデルイヤーやグレードによって異なります。ヘッドアップディスプレイ、サウンドシステム、シート表皮、パノラミックスライディングルーフなどを重視する場合は、見積もり時に装備内容を確認してください。
EQAとEQBは外部給電機能に対応しています。V2Hを利用すれば、車載バッテリーの電力を家庭側で利用でき、停電時の非常用電源としても活用できます。ただし、利用には対応する外部給電機器と設置工事が別途必要です。すべてのV2H機器との動作が保証されるわけではないため、適合機種を事前に確認してください。
まとめ:あなたはどちらを選ぶべき?
ここまでEQAとEQBを比較してきましたが、最終的にどちらを選ぶべきか、判断基準を整理します。
判断のポイントは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 6人以上で乗る可能性があるか
- 駐車場に全長4,685mm・全高1,705mmのEQBが入るか
- 7人乗車時にも荷物を積む必要があるか
- 普段の乗車人数が何人か
- 航続距離34kmの差をどの程度重視するか
- 44万円の価格差を許容できるか
EQAがおすすめな人
- 普段の乗車人数:1~4人程度が中心。
- 駐車のしやすさ:全長の短さや取り回しを重視する。
- 3列目は不要:3列目シートを必要としない。
- 航続距離重視:EQBより長いカタログ航続距離を重視する。
- デザイン重視:曲線的なデザインを好む。



EQBがおすすめな人
- 多人数乗車:6~7人乗車する可能性がある。
- 家族利用が中心:子どもの送迎や家族での利用が多い。
- 積載量重視:ベビーカーやキャンプ用品など大きな荷物を積む機会が多い。
- シートアレンジ重視:2列目・3列目のシートアレンジを活用したい。
- 駐車環境に余裕がある:EQAより全長が220mm長くても駐車環境に問題がない。



3列目を実際に使う可能性があるなら、選択肢は基本的にEQBです。反対に、普段は1~4人で乗り、3列目を必要としないなら、全長が短く、価格が低く、WLTC航続距離も長いEQAの合理性が高くなります。
ただし、EQBを選べば7人乗車時にも荷物を十分積めるとは限りません。7人乗車を頻繁に行う場合は、3列目の広さと荷室容量を実車で確認してください。
EQAは「感性に訴えるスタイリッシュなパートナー」、EQBは「生活を豊かにする多才なギア」と言えるでしょう。
どちらもメルセデス・ベンツが送り出したEVです。ご自身のライフスタイルを想像し、駐車場に停まっている姿や、週末に出かけるシーンを思い浮かべてみてください。
気になった方は、お近くのディーラーで試乗し、実際の座り心地や取り回しを確認することをお勧めします。カタログスペックだけでは分からない使い勝手を実感できるはずです。
本記事の価格・仕様・航続距離は、2026年7月時点でメルセデス・ベンツ日本公式サイトに掲載されている日本仕様を基準にしています。仕様、装備、価格、補助金制度は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトまたは正規販売店でご確認ください。
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