
最終更新日:2026年7月2日
メルセデス・ベンツの電気自動車ラインアップで、3列シートを備える大型SUVが「EQS SUV」です。EV専用設計を生かした長いホイールベースや静粛性、先進的なインターフェースを特徴とし、日本仕様のEQS 450 4MATIC SUVは最大7名が乗車できます。
一方、全幅が2mを超えるため、日本の道路や駐車場で使うには事前確認が欠かせません。また、流線形を重視したデザインは、GLSのような伝統的で力強いSUVスタイルとは方向性が大きく異なります。
この記事では、EQS SUVのデザイン、室内空間、サイズ、取り回しを確認し、GLSとの違いを整理します。
この記事のポイント
- EV専用設計による流線形のエクステリア
- 現行日本仕様は最大7名乗車に対応
- 全幅2,035mmのため駐車環境の確認が必要
- リアアクスルステアリングによる大型SUVとしての取り回しやすさ
- GLSとはデザイン、動力源、長距離移動時の使い勝手が異なる
1. EQS SUVのスタイル:未来を体現するエクステリアデザイン
メルセデス・ベンツはEQS SUVにおいて、大型EV向けの専用アーキテクチャを採用することで、内燃機関車とは異なるプロポーションを実現しています。ここでは、そのエクステリアスタイルの特徴を確認します。
EV専用設計が生むプロポーション
- ボンネットを短くし、キャビンを前方に配置した「キャブフォワード」デザイン
- ホイールベース3,210mmという長いホイールベース
- 床下にバッテリーを配置しながら、低いスタンスを両立したプロポーション
EQS SUVは、大きなエンジンをフロントに収める必要がないため、ボンネットが短く、その分フロントガラスが前方へせり出した「キャブフォワード」デザインが採用されています。
全長5,130mmのボディに対し、ホイールベースは3,210mmと長く確保されており、前後のタイヤがボディの四隅に近い位置に配置されています。この長いホイールベースは、視覚的な安定感だけでなく、後述する室内空間の広さにもつながっています。
空力性能を追求したシームレスデザイン
- パネルの継ぎ目や段差を減らしたボディワーク
- 仕様によってCd値0.26を実現するとされる空力性能
- ドアパネルに格納され、近づくとせり出すフラッシュフィットドアハンドル
EVにとって空気抵抗を抑えることは、航続距離に影響する要素のひとつです。EQS SUVは、仕様によってCd値0.26を実現するとされるなど、大型SUVとして優れた空力性能を追求しています。ボディ表面は段差や継ぎ目を減らして仕上げられています。
例えば、ドアハンドルは通常時はボディパネルとほぼ面一に格納され、キーを持ったオーナーが近づくとせり出す仕組みです。また、フロントからルーフ、リアへ滑らかにつながる流線形のシルエットも、空気抵抗を抑えるための設計のひとつです。
EQシリーズを象徴するブラックパネル
- EQモデルを象徴するブラックパネルを配置したフロントフェイス
- 左右のヘッドライトをつなぐライトバンド
- 運転支援システムに用いるセンサー類を車体各所に配置
エンジン車のラジエーターグリルとは異なり、EQS SUVのフロントにはEQモデルを象徴するブラックパネルが配置されています。左右のヘッドライトをつなぐライトバンドと組み合わされ、ワイドで先進的な表情を形成しています。
ブラックパネル周辺には運転支援システムに用いるレーダーなどが組み込まれていますが、カメラや超音波センサーを含む各種センサーは車体の複数箇所に配置されています。夜間には、左右のヘッドライトを結ぶライトバンドが点灯し、EQシリーズのフロントフェイスであることを示します。
2. インテリアスタイルと室内空間

車内には、デジタル技術とメルセデス・ベンツのインテリア設計が組み合わされています。ここでは、そのインテリアスタイルと室内空間の特徴を確認します。
MBUXハイパースクリーンが創り出すデジタル空間
- ダッシュボード全体を一枚の曲面ガラスで覆う「MBUXハイパースクリーン」
- 運転席、中央、助手席の3つのディスプレイを統合
- 利用頻度に応じて機能を表示する「ゼロレイヤー」設計
インテリアの特徴のひとつが「MBUXハイパースクリーン」です。幅141cmにおよぶ曲面ガラスが左右のAピラー間を貫き、運転席、中央、助手席向けの3つのディスプレイを一体感のあるデザインでまとめています。
ナビゲーションやエアコン、エンターテインメントなどの情報は、複数のディスプレイに表示されます。「ゼロレイヤー」と呼ばれる表示思想により、利用頻度や状況に応じた機能を画面上に提示する設計です。使いやすさの感じ方には個人差があるため、実際の操作感は試乗などで確認することをおすすめします。なお、現行日本仕様の装備内容はモデルイヤーや選択パッケージによって変更される可能性があるため、購入時は対象車両のデータインフォメーションや販売店の見積書で確認してください。
セダン(EQS)との違いにみる居住性
- 全高1,725mmのSUVボディによる頭上空間のゆとり
- セダンのEQSより高い着座位置と頭上方向の余裕
- 高性能フィルターを用いた空気清浄機能
セダンの「EQS」は流麗なルーフラインを追求しているため、後席の頭上空間は限られる面があります。EQS SUVはSUVボディによって、セダン型EQSよりも高い着座位置と頭上方向の余裕を得ています。特に2列目は、長いホイールベースを生かしたレッグスペースが特徴です。ただし、快適性の感じ方は体格、シート位置、乗車人数によって異なります。
また、高性能フィルターを用いた空気清浄機能により、車外から取り込む空気に含まれる微粒子などを低減します。実際の性能や対象物質は、装備仕様とメーカーが示す試験条件によって異なります。
最大7名が乗車できる3列シートの実力
- ホイールベース3,210mmを生かした3列目シート
- 2列目シートの前後位置調整と3列目への乗降補助機能
- シートアレンジに応じて拡大する荷室
EQS 450 4MATIC SUVは3列シートを備え、最大7名が乗車できます。ただし、3列目の足元や頭上の余裕は1列目、2列目より限られるため、大人が長時間利用する場合は実車で確認することをおすすめします。
2列目シートには前後位置を調整する機構が設けられ、3列目への乗降を補助する機能も備えています。3列目にもシートヒーターが用意されていますが(2026年7月確認時点)、装備内容はモデルイヤーや仕様によって異なるため、購入時は対象車両の装備表を確認してください。
シートアレンジによって荷室を拡大でき、後席を格納した最大時にはVDA方式で645L〜2,100Lの容量が示されています。荷物の形状によって積載性は異なるため、ゴルフバッグなど大きな荷物を複数積む場合は、バッグのサイズとシート位置を含め、実車で確認するのが確実です。
現行EQS 450 4MATIC SUVの主要スペック
| 項目 | EQS 450 4MATIC SUV MP202601 |
| 価格 | 16,610,000円 |
| 全長 | 5,130mm |
| 全幅 | 2,035mm |
| 全高 | 1,725mm |
| ホイールベース | 3,210mm |
| 車両重量 | 2,920kg |
| 乗車定員 | 7名 |
| 最高出力 | 265kW/360PS |
| 最大トルク | 800N・m |
| 一充電走行距離 | 673km(WLTCモード) |
| 駆動方式 | 四輪駆動 |
※2026年7月確認時点の日本仕様(メルセデス・ベンツ日本Data Information MP202601版に基づく)。価格、諸元、装備はモデルイヤーやオプションなどによって変更される場合があります。最新情報はメルセデス・ベンツ日本公式サイトおよび正規販売店で確認してください。
3. EQS SUVとGLSを徹底比較:どちらを選ぶべきか?

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メルセデス・ベンツの大型SUVを選ぶ際、比較対象となるのが、内燃機関を搭載する「GLS」です。車格としては近い関係にありますが、動力源やデザインの方向性は異なります。ここでは、現行日本仕様のEQS 450 4MATIC SUVとGLS 450 d 4MATIC Night Edition(ISG)を例に、サイズ、走行フィール、選び方を整理します。
ボディサイズと取り回しの違い
- 全幅はEQS SUVが2,035mm、GLS 450 d 4MATIC Night Edition(ISG)が2,030mmとほぼ同等
- 全高はEQS SUVが1,725mmと、GLS(1,840mm)よりも低い
- EQS SUVはリアアクスルステアリングを標準装備し、最小回転半径5.1m
両車のボディサイズを比較すると、全幅はEQS SUVが2,035mm、GLS 450 d 4MATIC Night Edition(ISG)が2,030mmとほぼ同等です。全高はEQS SUVの方が115mm低く、ホイールベースはEQS SUVの方が75mm長くなっています。
| 比較項目 | EQS 450 4MATIC SUV MP202601 | GLS 450 d 4MATIC Night Edition(ISG) MP202601 |
| モデル識別コード | ZAA-296624 | 3CA-167933 |
| 全長 | 5,130mm | 5,210mm |
| 全幅 | 2,035mm | 2,030mm |
| 全高 | 1,725mm | 1,840mm |
| ホイールベース | 3,210mm | 3,135mm |
| 最小回転半径 | 5.1m | 5.8m |
| 乗車定員 | 7名 | 7名 |
| 車両重量 | 2,920kg | 2,610kg |
| パワートレイン | フロント・リア デュアルモーター4MATIC(EV) | 直列6気筒ディーゼルターボ+ISG(48V) |
| メーカー希望小売価格 | 16,610,000円 | 15,340,000円 |
※数値は日本仕様の各モデルを比較。モデルイヤー、装着オプションなどによって異なる場合があります(2026年7月確認時点、メルセデス・ベンツ日本Data Information MP202601版に基づく)。
EQS SUVの全幅2,035mmは、日本の道路事情、特に都内の駐車場などで事前確認が必要なサイズです。EQS SUVにはリアアクスルステアリング(後輪操舵システム)が標準装備されており、低速時に後輪を前輪と反対方向へ操舵することで、最小回転半径を5.1mに抑えています。後輪の切れ角は仕様によって異なるため、詳細は正規販売店で確認できます。
全長5m超の車両としては小回り性能に優れる数値ですが、全幅は2,035mmあるため、狭い道路や駐車枠では十分な注意が必要です。カタログ上の最小回転半径だけでなく、購入前の試乗と駐車環境の確認をおすすめします。
パワートレインと走行フィールの違い
- EQS SUVはモーター特有の滑らかな発進とエンジン振動のない静粛性
- 一般的な多段式ATのような変速動作がない
- GLSは給油の短さと長距離移動時の自由度が特徴
EQS SUVは電気モーターによる滑らかな発進と、エンジン由来の振動がないことが特徴です。一般的な多段式ATのような変速動作がなく、加速は途切れのない感覚で伝わります。一方、タイヤや路面からの音、風切り音、サスペンションの動きまで完全になくなるわけではありません。
日本仕様のGLSには、グレードに応じて電動化技術(ISG)を組み合わせた内燃機関が採用されています。GLS 450 d 4MATIC Night Edition(ISG)は直列6気筒ディーゼルターボ、GLS 580 4MATIC Sports(ISG)はV型8気筒ガソリンを搭載します。通常のGLS、Mercedes-AMG GLS、Mercedes-Maybach GLSではパワートレインと性格が異なるため、購入候補のグレードごとに比較する必要があります。
GLSは給油時間が短く、充電設備を前提とせずに長距離を移動しやすい点が特徴です。EQS SUVは自宅充電が利用できる環境では日常的な利便性を得やすい一方、長距離移動では充電場所と充電時間を考慮する必要があります。
あなたに最適な一台を見極める判断基準
最終的にどちらを選ぶか、ライフスタイルに合わせた目安をまとめました。
【EQS SUVが向く人】
- 自宅や勤務先で継続的に充電できる
- エンジン音や振動の少ない移動を重視する
- EVらしい流線形のデザインを好む
- 最大7名乗車と可変式の荷室を必要としている
- 全幅2,035mmに対応できる駐車環境がある
- 長距離移動時に充電計画を立てられる
【GLSが向く人】
- 力強く伝統的な大型SUVデザインを好む
- 給油の短さや長距離移動時の自由度を重視する
- 自宅に充電設備を設置しにくい
- 内燃機関のフィーリングを好む
- EQS SUVより狭い全幅を優先する
- 候補グレードの駐車条件を満たしている
なお、GLS 450 d 4MATIC Night Edition(ISG)の全幅(2,030mm)はEQS SUV(2,035mm)とほぼ同等です。EQS SUVより全幅が狭いGLSであっても、大型SUVであることに変わりはありません。駐車場を選ぶ際は全幅だけでなく、全長、全高、車両重量、タイヤ外幅、パレット寸法、ドア開閉スペースを確認してください。
購入前に確認したいポイント
- 駐車枠の幅だけでなく、ドアを開けるための余白を確認する
- 駐車場の全長、全高、重量制限を確認する
- 自宅充電器を設置できるか管理会社や電気工事業者へ確認する
- マンションでは充電設備導入に管理組合の承認が必要になる場合がある
- 長距離移動で利用する急速充電器の場所と出力を確認する
- 冬季、空調使用、高速走行などで実走行距離が変化する
- 7名乗車時は荷室容量が限定される
- 3列目を大人が利用する場合は実車確認を行う
EQS SUVの一充電走行距離はWLTCモードで673kmとされていますが、実際の走行距離は気温、空調の使用状況、走行速度などによって変動します。長距離移動を計画する際は、経路上の急速充電器の位置や出力もあわせて確認することをおすすめします。
まとめ

- EQS SUVのスタイルは、EV専用設計を生かした流線形の機能美である
- MBUXハイパースクリーンと3列シートにより、最大7名が乗車できる室内空間を実現
- 全幅2,035mmというサイズながら、リアアクスルステアリングにより小回り性能に配慮されている
- 先進的なデザインと静粛性を求めるならEQS SUV、伝統的なSUVらしさや長距離移動の自由度を求めるならGLS
EQS SUVは、EV専用設計を生かした流線形のデザイン、静粛性、最大7名乗車に対応する室内を特徴とする大型電動SUVです。現行のEQS 450 4MATIC SUVは、一充電走行距離673km、最高出力265kW、最大トルク800N・mという性能を備えます。
一方で、全幅は2,035mm、車両重量は2,920kgに達します。リアアクスルステアリングによって小回り性能に配慮されていても、狭い道路や駐車場での使いやすさは事前に確認すべきです。
GLSと比べた場合、EQS SUVは静粛性や自宅充電との相性、先進的なデザインが強みです。GLSは給油の容易さや長距離移動時の計画自由度、伝統的なSUVらしいスタイルに魅力があります。
購入前には、試乗だけでなく、自宅駐車場の幅、出入口、充電設備、普段利用する充電施設、長距離移動の頻度まで確認してください。ぜひお近くの販売店で、実車のスタイルとサイズ感を確認してみてください。
参考情報
- メルセデス・ベンツ日本「EQS SUV」
- メルセデス・ベンツ日本「メルセデスの電気自動車を選ぶ理由」
- メルセデス・ベンツ日本「GLS」
- メルセデス・ベンツ日本「カタログ一覧/Data Information」
- メルセデス・ベンツ日本「プライスリスト」
本記事中の価格・諸元は2026年7月確認時点のものです(メルセデス・ベンツ日本Data Information EQS SUV:2026年2月5日版、GLS:2025年12月16日版、共にMP202601)。価格、仕様、装備は変更される場合がありますので、最新情報は正規販売店でご確認ください。
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