
ホンダ ステップワゴンを検討していると、まず迷うのがグレード選びです。ステップワゴンのグレードは大きくAIRとSPADAの2系統に分かれており、それぞれに複数の派生グレードが用意されています。見た目の印象が違うことは知っていても、価格差がどこから生まれているのか、e:HEV(ハイブリッド)はどちらに設定されているのか、といった具体的な違いまで理解している人は多くありません。カタログを見比べても情報量が多く、結局どちらを選べばよいか判断がつかないまま検討が長引いてしまうこともあります。本記事では、ステップワゴンのグレード構成を整理したうえで、AIRとSPADAの価格・外観・装備の違いを比較し、ライフスタイル別にどちらが向いているかを診断します。サイズや取り回しは別記事で解説していますので、本記事ではグレードと装備の違いに絞って解説します。
この記事のポイント
- AIRとSPADA、それぞれのグレード構成と位置づけ
- 価格・外観・装備で見るAIRとSPADAの違い
- e:HEV(ハイブリッド)が選べるグレードの条件
- デザインコンセプトの違い(クリーン系かスポーティ系か)
- どちらが向いているかの選び方診断
ステップワゴンのグレード構成|AIRとSPADAの位置づけ
現行ステップワゴンは、2022年5月に発売された6代目をベースに、2025年5月16日の改良で新グレードが追加され、現在はAIR系とSPADA系の2系統・合計5グレードで構成されています。まずはそれぞれの系統がどのような位置づけなのかを整理します。

AIR系のラインアップ
- AIR:ガソリンのみのベースグレード
- AIR EX:2025年5月に追加された装備充実グレード
- AIR EXにはガソリンとe:HEVの両方を設定
AIR系はガソリンのみの「AIR」と、2025年5月の改良で新設された「AIR EX」の2グレードです。AIR EXは本革巻ステアリングやシートヒーターなど快適装備を上積みした中級グレードで、ガソリンに加えてe:HEVも選べます。無印のAIRはガソリン車のみの設定で、価格を抑えたいユーザー向けのベースグレードという位置づけです。
SPADA系のラインアップ
- SPADA:ガソリンとe:HEVを設定するベースグレード
- SPADA PREMIUM LINE:上質な内外装を備えた上位グレード
- SPADA PREMIUM LINE BLACK EDITION:黒基調の最上級グレード
SPADA系は「SPADA」「SPADA PREMIUM LINE」「SPADA PREMIUM LINE BLACK EDITION」の3グレードです。SPADAはガソリン・e:HEVの両方を設定するベースグレード、PREMIUM LINEはそこに上質な内外装を加えた上位グレードです。BLACK EDITIONは2025年5月に新設された最上級グレードで、PREMIUM LINEをベースにブラッククロームメッキや専用の17インチアルミホイールなど黒基調の装飾を加えたe:HEV専用の特別仕様です。
AIRとSPADAの価格・外観・装備を比較
グレードの全体像がわかったところで、価格・外観・装備の3つの軸で具体的な違いを見ていきましょう。






AIR
写真出典:Honda






SPADA
写真出典:Honda




BLACK EDITION専用装備
写真出典:Honda
価格一覧(税込)
- 無印AIRはガソリンのみで334万円台から
- e:HEVはAIR EX以上のグレードから選択可能
- 4WDはガソリン車のみの設定でe:HEVはFF専用
公式発表と専門メディアの報道をもとにした価格帯の目安(税込)は次のとおりです。実際の価格はボディカラーやオプションによって変動するため、最新の金額は公式サイトまたは正規販売店でご確認ください。
| グレード | パワートレイン | 駆動方式 | 価格帯の目安(税込) |
|---|---|---|---|
| AIR | ガソリン | FF | 334万円台〜 |
| AIR EX | ガソリン/e:HEV | ガソリンはFF・4WD/e:HEVはFF | 354万円台〜394万円程度 |
| SPADA | ガソリン/e:HEV | ガソリンはFF・4WD/e:HEVはFF | 360万円台〜416万円程度 |
| SPADA PREMIUM LINE | ガソリン/e:HEV | ガソリンはFF・4WD/e:HEVはFF | 387万円台〜427万円程度 |
| SPADA PREMIUM LINE BLACK EDITION | e:HEV | FF | 440万円台〜 |
価格を見ると、AIR系のほうがSPADA系より同格帯で数万円ほど安く設定される傾向があります。またe:HEVは無印AIRには設定がなく、AIR EX以上のグレードから選べる点も押さえておきたいポイントです。4WDについても、現行ラインアップではガソリン車のみの設定で、e:HEVはFF(2WD)専用となっています。積雪地域などで4WDが必須の場合は、必然的にガソリンモデルが選択肢になります。
外観デザインの違い
- AIRは丸みを帯びたシンプルなフロントフェイス
- SPADAは厚みのあるバンパーとクロームメッキで精悍な印象
- BLACK EDITIONは専用ホイールと黒基調の加飾が特徴
AIRは無駄を省いたシンプルなシルエットと、丸みを帯びたフロントフェイスが特徴で、威圧感の少ない親しみやすい外観にまとめられています。対してSPADAは、厚みのあるリアバンパーやボディサイドのクロームモール、テールゲートスポイラーなどを組み合わせ、ダーククロームのアクセントで精悍な印象を演出しています。最上級のSPADA PREMIUM LINE BLACK EDITIONは、グリルやガーニッシュにブラッククロームメッキを施し、専用デザインの17インチアルミホイールを組み合わせることで、より統一感のある黒基調の仕上がりとなっています。
内装・快適装備の違い
- AIRは明るい色調で開放的な室内空間
- SPADAはブラック基調で上質な素材を使用
- AIR EXは本革巻ステアリングやシートヒーターを追加
内装もコンセプトに応じて仕立てが異なります。AIRは温かみのある明るい色調と素材を用い、リビングのようにくつろげる室内空間を志向しています。一方SPADAはブラックを基調とした内装に、液体・油に強いFABTECTファブリックや、しなやかな質感が特徴のプライムスムース素材を組み合わせ、質感を高めています。装備面では、AIR EXへのグレードアップで本革巻ステアリングホイール、シートヒーター、2列目オットマン、全席USBチャージャー、トリプルゾーンフルオートエアコン、パワーテールゲート、ブラインドスポットインフォメーションなどが追加されます。なお2025年5月の改良では、全グレード共通でHonda SENSINGに後退出庫サポートと急アクセル抑制機能が追加され、パワーテールゲート・パワースライドドアのリモート操作機能も新たに搭載されました。安全装備の基本仕様はAIR・SPADAで差がない点も確認しておきたいところです。
どちらが向いている?選び方診断
ここまでの違いを踏まえて、実際にどちらのグレードが自分に合っているのかを診断形式で整理します。
AIRが向いている人
- 初期費用をできるだけ抑えたい
- 明るく開放的な室内で家族と過ごしたい
- 威圧感の少ない親しみやすい外観が好み
車両価格を抑えたい人や、シンプルで丸みのあるデザインを好む人にはAIR系が向いています。装備の快適性も重視したいなら、e:HEVも選べるAIR EXを検討するとバランスが取りやすくなります。子育て世帯など、明るく開放的な室内で家族と過ごす時間を大切にしたい人にも合う系統です。
SPADAが向いている人
- スポーティで質感の高い外観・内装を求める
- 価格が上がっても装備の充実度を優先したい
- 走行性能への満足度も判断材料にしたい
精悍な外観やブラック基調の上質な内装を求める人にはSPADA系が向いています。装備の充実度や質感を重視するならPREMIUM LINE、統一感のある黒基調の外観にこだわるならBLACK EDITIONが選択肢になります。価格は上がりますが、その分の満足度を求める人に適した系統です。
オーナーレビューに見るAIRとSPADAの実像
carview!のユーザーレビューを見ると、AIR系には1,900件を超える評価が寄せられ、総合評価は5点満点中4点台前半となっています。中でも積載性への評価が高く、「荷物がたくさん積める」「2列目・3列目シートが広い」といった声が目立ちます。一方SPADA系には1,300件を超える評価が寄せられ、総合評価は5点満点中4点台後半とAIR系を上回り、「きびきび走る」といった走行性能や視界の広さを評価する声が多く見られます。
不満点にも系統ごとに傾向の違いが見られます。AIR系では燃費が思ったより伸びない点やナビシステムの使い勝手への指摘が、SPADA系では価格の高さ、e:HEVに4WD設定がない点、高速走行時の静粛性への指摘が挙がっています。走りの質感や装備の充実を求めるならSPADA系、実用性とコストバランスを重視するならAIR系、というオーナーの実感は、前述の選び方診断とも重なる結果です。
まとめ
- AIR系はシンプルで親しみやすいデザインとコストバランスが魅力
- SPADA系は精悍な外観と上質な内装、走行性能の評価の高さが魅力
- e:HEVはAIR EX以上のグレードから選択可能で無印AIRはガソリンのみ
- 4WDはガソリン車のみの設定でe:HEVはFF専用という制約に注意
- 安全装備の基本仕様はAIR・SPADAで差がなく、選ぶ基準はデザインと快適装備
ステップワゴンのAIRとSPADAは、単なる上位・下位グレードの関係ではなく、異なるコンセプトに基づいた2つの系統です。価格を抑えつつ明るく開放的な空間を求めるならAIR系、精悍な外観と上質な内装、走行性能への評価を重視するならSPADA系が選択肢になります。サイズや取り回しの詳細はこちらの記事もあわせて確認し、最終的な価格・装備・在庫状況は公式サイトまたは正規販売店で確認したうえで、ライフスタイルに合ったグレードを選んでください。