
メルセデス・ベンツが誇る電気自動車(EV)の最高峰「EQS」。そのアーキテクチャをベースに、大人7人が快適に過ごせる広大な空間を与えられたモデルが「EQS SUV」です。ラグジュアリーSUV市場において、これほどまでに先進的で静粛性に優れたモデルは他に類を見ません。
しかし、購入を検討されている方の中には、「EV特有の丸みを帯びたスタイルは自分に合うだろうか」「全長5m、全幅2mを超えるサイズ感で、日常の取り回しに苦労しないだろうか」「内燃機関のGLSや、セダンのEQSとどちらを選ぶべきか」と迷われている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、自動車の専門家としての視点から、EQS SUVの革新的なエクステリア・インテリアのスタイルを徹底的に解説します。さらに、サイズ感や走行性能、そしてGLSとの明確な比較を通じて、あなたが本当に選ぶべき一台を見極めるための判断基準をご提供します。この記事を最後までお読みいただければ、EQS SUVがあなたのライフスタイルに最適なパートナーとなり得るか、確信を持てるはずです。
- EV専用プラットフォームが生み出す、空力と美しさを両立した先進的なスタイル
- MBUXハイパースクリーンと大人7人がくつろげる広大なインテリア空間
- 全幅2m超えの巨体を感じさせない「リアアクスルステアリング」の驚異的な取り回し
- 内燃機関の王者「GLS」との比較から見えてくる、明確な選択基準と価値
1. EQS SUVのスタイル:未来を体現するエクステリアデザイン
メルセデス・ベンツがEQS SUVで目指したのは、単なるSUVの電動化ではありません。EV専用プラットフォーム「EVA2」をゼロから設計したことで、これまでの自動車デザインの常識を覆す、まったく新しいプロポーションを獲得しています。ここでは、その洗練されたエクステリアスタイルの秘密に迫ります。
EV専用プラットフォームが生む革新的なプロポーション
- ボンネットを短くし、キャビンを前方に押し出した「キャブフォワード」デザイン
- ホイールベース3,210mmという超ロングホイールベースがもたらす圧倒的な存在感
- 巨大なバッテリーを床下に敷き詰めながらも、腰高感を感じさせない絶妙なスタンス
EQS SUVを目の前にしてまず気づくのは、既存のエンジン搭載SUVとは明らかに異なるシルエットです。巨大なエンジンをフロントに収める必要がないため、ボンネットは極端に短く切り詰められ、その分フロントガラスが大きく前方にせり出した「キャブフォワード」デザインが採用されています。
これにより、全長5,135mmという堂々たる体躯でありながら、どこか軽快で未来的な印象を与えます。また、前後のタイヤがボディの四隅ギリギリに配置される超ロングホイールベース(3,210mm)は、視覚的な安定感をもたらすだけでなく、後述する広大な室内空間の土台となっています。従来の「長いボンネット=高級車」という価値観から脱却し、空間効率と機能美を極限まで追求した結果生まれたのが、このEQS SUVのプロポーションなのです。
空力性能と美しさを両立するシームレスデザイン
- パネルの継ぎ目や段差を極限まで減らした「シームレス」なボディワーク
- 空気抵抗係数(Cd値)0.26という、SUVとしては異例の空力性能を達成
- ドアパネルに格納され、近づくと自動でせり出すフラッシュフィットドアハンドル
EVにとって、空気抵抗をいかに減らすかは航続距離に直結する死活問題です。EQS SUVは、その巨体からは想像もつかないCd値0.26という驚異的な空力性能を誇ります。この数値を実現するために、ボディ表面からは徹底的に段差や継ぎ目が排除されました。
例えば、ドアハンドルは通常時はボディパネルと面一(ツライチ)に格納されており、キーを持ったオーナーが近づいた時だけ滑らかにせり出します。また、フロントからルーフ、そしてリアへと流れる「ワン・ボウ(弓)」のような美しいルーフラインは、風の抵抗を滑らかに受け流すための最適解です。無駄な装飾を削ぎ落とし、空気の力学に従って研ぎ澄まされたそのスタイルは、見る者に知的で洗練された印象を強く残します。
EQシリーズを象徴するブラックパネルグリル
- 冷却用の開口部を廃止し、立体的なスリーポインテッドスターをあしらったフロントフェイス
- 左右のヘッドライトを一本の光の帯でつなぐ、先進的なライティングシグネチャー
- センサーやカメラ、レーダーなどの高度な運転支援デバイスを美しく内蔵
エンジンのラジエーターを冷却するための巨大なフロントグリルは、EVには不要です。その代わりにEQS SUVの顔として据えられているのが、深みのある黒いパネルに無数のスリーポインテッドスターが散りばめられた「ブラックパネルグリル」です。
このパネルは単なるデザインのアクセントではありません。実はこの裏側には、安全運転支援システムを支える高精細カメラ、レーダー、超音波センサーなどが集約されています。無骨なセンサー類を表面に露出させることなく、美しいデザインの中にテクノロジーを内包する。これこそが、メルセデス・ベンツが提案する新時代のラグジュアリースタイルだと言えるでしょう。夜間になれば、左右のヘッドライトを一直線に結ぶLEDライトバンドが点灯し、暗闇の中でも一目で「EQ」シリーズの頂点であることを主張します。
2. 究極のラグジュアリーを誇るインテリアスタイル

ドアを開け、一歩車内に足を踏み入れた瞬間、EQS SUVが単なる移動の道具ではないことに気づかされます。そこは、最先端のデジタル技術と、メルセデスが長年培ってきた匠の技が見事に融合した、極上のプライベートラウンジです。
MBUXハイパースクリーンが創り出すデジタル空間
- ダッシュボード全体を一枚の巨大な曲面ガラスで覆う「MBUXハイパースクリーン」
- 運転席、中央、助手席の3つの高精細ディスプレイがシームレスに統合された圧倒的視覚体験
- 物理スイッチを極限まで減らし、音声や直感的なタッチ操作で完結するスマートな操作系
インテリアのスタイルを決定づけているのが、オプション(一部グレードで標準)設定される「MBUXハイパースクリーン」です。幅141cmにも及ぶ巨大な曲面ガラスが左右のAピラー間を貫き、まるで宇宙船のコクピットのような未来的な空間を演出しています。
このスクリーンには、メーターパネル、センターディスプレイ、そして助手席専用のディスプレイという3つの画面が統合されています。ナビゲーションの地図はもちろん、エアコンの調整からエンターテインメントの操作まで、あらゆる情報が鮮明な有機ELディスプレイに表示されます。複雑な階層メニューを廃止し、必要な情報が常にトップ画面に表示される「ゼロレイヤー」設計が採用されているため、見た目の未来感だけでなく、実際の使い勝手も極めて優れています。
セダン(EQS)を凌駕する開放感と居住性
- 全高1,725mmのSUVボディがもたらす、頭上空間の圧倒的なゆとり
- セダンのEQSで指摘されがちな「後席の閉塞感」を完全に見事に解消
- HEPAフィルターによる空気清浄システムなど、五感で感じる快適性へのこだわり
ベースとなったセダンの「EQS」も素晴らしいクルマですが、流麗なルーフラインを追求した結果、後席の頭上空間には若干の割り切りが見られました。しかし、EQS SUVは全高をセダンより約200mm高く設定することで、その弱点を完全に克服しています。
1列目はもちろん、VIPを乗せる機会の多い2列目シートにおいても、大柄な大人が足を組み、ゆったりと背もたれに身を預けられる広大な空間が確保されています。頭上のパノラミックスライディングルーフからは自然光が降り注ぎ、車内というよりは高級ホテルのラウンジにいるかのような開放感を味わえます。また、大型HEPAフィルターを搭載した空気清浄システムにより、外気の微細なチリやウイルスを99.65%以上除去。都会の渋滞の中でも、深呼吸したくなるような澄んだ空気が車内を満たします。
大人7人が快適に過ごせる3列シートの実力
- ホイールベース3,210mmの恩恵をフルに活かした、実用的なサードシート
- 2列目シートの電動スライド(130mm)と「イージーエントリー」による容易な乗降性
- 3列目を格納すれば最大2,020リッターに拡大する、SUVならではの圧倒的な積載能力
EQS SUVの大きな武器が、3列目シートを備えた「7人乗り」であるという点です。「どうせ子供用の補助席だろう」と侮ることはできません。床下に巨大なバッテリーを敷き詰めているにもかかわらず、巧みなパッケージングにより、身長170cm程度の大人でも実用に耐えうるスペースを確保しています。
もちろん3列目にもシートヒーターやUSBポートが備わっており、すべての乗員に対するおもてなしの心に妥協はありません。2列目シートは電動で前後に130mmスライドでき、ボタン一つで前に倒れるイージーエントリー機能を使えば、3列目へのアクセスもスマートに行えます。普段は3列目を床下にフラットに格納しておき、ゴルフバッグを4つ楽々と積載。休日に友人を乗せてゴルフに向かうといった大人のライフスタイルにも、完璧に応えてくれるユーティリティを備えています。
3. EQS SUVとGLSを徹底比較:どちらを選ぶべきか?

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メルセデス・ベンツのフラッグシップSUVを選ぶ際、最大のライバルとなるのが、内燃機関(ガソリン/ディーゼル)を搭載する「GLS」です。車格としては同等ですが、その性格や魅力は大きく異なります。ここでは、サイズ、走り、そして選択の基準を専門家の視点で徹底比較します。
ボディサイズと取り回しの違い
- 全幅はEQS SUVが2,035mmと、GLS(1,955mm)よりも80mm広い
- 全高はEQS SUVが1,725mmと、GLS(1,825mm)よりも100mm低くスポーティ
- EQS SUV最大の武器「リアアクスルステアリング」による最小回転半径5.1mの驚異
両車を比較する際、最も気になるのがサイズ感でしょう。結論から言えば、全幅はEQS SUVの方が広く、全高はGLSの方が高いという違いがあります。
| 比較項目 | EQS SUV (EQS 450 4MATIC SUV) | GLS (GLS 400 d 4MATIC) |
| 全長 | 5,135 mm | 5,210 mm |
| 全幅 | 2,035 mm | 1,955 mm |
| 全高 | 1,725 mm | 1,825 mm |
| ホイールベース | 3,210 mm | 3,135 mm |
| 最小回転半径 | 5.1 m | 5.8 m |
EQS SUVの全幅2,035mmという数字を見ると、日本の道路事情、特に都内の駐車場などで躊躇してしまう方も多いはずです。しかし、ここでEQS SUVには魔法のようなテクノロジーが備わっています。それが「リアアクスルステアリング(後輪操舵システム)」です。
低速走行時、後輪が前輪と逆方向に最大10度も切れるため、全長5mオーバーの巨体でありながら、なんとコンパクトカー並みの最小回転半径5.1m(GLSは5.8m)を実現しています。実際にステアリングを握ってみると、交差点の右左折やUターン、狭い駐車場での切り返しで「車がひと回り小さくなった」と錯覚するほどの取り回しの良さに驚かされます。数値上の全幅は確かに広いですが、実際の運転のしやすさにおいては、EQS SUVがGLSを凌駕していると言っても過言ではありません。
パワートレインと走行フィールの違い
- EQS SUVは巨大な質量を感じさせない、モーター特有の無音かつシームレスな加速
- エンジンの振動や変速ショックが一切ない、究極のフラットライド
- GLSの重厚で勇ましいエンジン音や、長距離の無補給クルージングという内燃機関の魅力
走りの質は、両者で明確に二分されます。EQS SUVの走りは、一言で言えば「魔法の絨毯」です。アクセルを踏み込んだ瞬間から、2.9トンを超える巨体が音もなく、そして力強く滑り出します。ギアボックスが存在しないため変速ショックは皆無。モーターのノイズや風切り音も徹底的に遮断されており、車内は異様なほどの静粛性に包まれます。この「重さから解放されたような感覚」は、極上のEVでしか味わえない特権です。
一方のGLSは、直列6気筒ディーゼルやV型8気筒ガソリンエンジンが放つ、機械としての心地よい鼓動やサウンドが魅力です。アクセルを踏み込むと車体がグッと沈み込み、力強く路面を蹴って進む「車を操っている実感」は、内燃機関ならではの醍醐味です。また、充電インフラを気にせず、給油だけで数百キロを一気に走り抜けることができるという点では、現状ではまだGLSに分があります。
あなたに最適な一台を見極める判断基準
では、最終的にどちらを選ぶべきか。あなたのライフスタイルに合わせた選択の目安をまとめました。
【EQS SUVを選ぶべき人】
- 最新のテクノロジーと先進的なスタイルで、周囲に知的さをアピールしたい
- エンジンの音や振動を排除した、究極の静寂と滑らかな乗り心地を求めている
- 自宅や会社に充電設備を設置できる環境が整っている
- 都内の狭い道や駐車場でも、小回りの効く大型SUVに乗りたい
【GLSを選ぶべき人】
- メルセデス伝統の重厚なフロントグリルと、押し出しの強いスタイルが好きだ
- ロングドライブや旅行が多く、出先での充電計画を立てるのが煩わしい
- エンジンが発する心地よいサウンドや、機械を操るフィーリングを楽しみたい
- 立体駐車場など、全幅2m未満というサイズ制限が厳格な環境で使っている
まとめ

- EQS SUVのスタイルは、単なる電動化ではなく、EV専用設計だからこそ実現した未来の機能美である
- MBUXハイパースクリーンと3列シートが、大人7人を満足させる至高のデジタルラウンジ空間を創出
- 全幅2m超えというサイズながら、後輪操舵の恩恵で実際の日常の取り回しは驚くほど容易
- 新しいラグジュアリーの価値観を先取りするならEQS SUV、伝統的な重厚感を愛するならGLS
メルセデス・ベンツ「EQS SUV」は、これまでの高級SUVの定義を根本から塗り替えるエポックメイキングな存在です。その流麗でシームレスなスタイルは、見る者に圧倒的な未来感と知性を感じさせます。
「EVのスタイルはまだ見慣れない」「大きすぎて扱いきれないのではないか」という不安は、実際に実車に触れ、ステアリングを握った瞬間に氷解するでしょう。リアアクスルステアリングがもたらす驚異的な小回り性能や、音もなく滑るように加速する極上の乗り心地は、一度味わうと後戻りできないほどの魅力に溢れています。
もしあなたが、単なる移動手段としての車ではなく、同乗者すべてを最高のおもてなしで包み込み、自身の先進的なビジョンを体現するパートナーを探しているのなら。EQS SUVは、現在考えうる最も完璧で、最も贅沢な選択肢となるはずです。ぜひ一度、お近くの販売店でその革新的なスタイルと走りを、ご自身の五感で体感してみてください。

