
新型クロスビーへの買い替えを検討しているけれど、旧型との具体的な違いや、約8年ぶりの大幅改良でどこまで進化したのか気になっている方も多いのではないでしょうか。デザインが親しみやすい印象から精悍な印象に変わったと聞いても、実際の見た目や、燃費性能、安全装備の向上度合いなど、比較すべきポイントが多くて判断に困りますよね。実は、新型クロスビーはエクステリアの刷新だけでなく、パワートレインの全面刷新による燃費向上や最新の安全技術の搭載など、多角的な進化を遂げています。
本記事では、新型クロスビーの主要な特徴を旧型と比較しながら詳しく解説し、あなたのライフスタイルに合った選び方のポイントをご紹介します。後悔のない車選びをするためにも、ぜひ最後までご覧ください。
この記事のポイント
- 新型クロスビーのデザイン刷新とエクステリアの進化点
- 1.2Lエンジン+CVT採用による燃費向上の詳細
- 旧型との価格・装備・性能の具体的な比較データ
- グレード別の特徴とライフスタイルに合った選び方
- 最新安全装備と運転支援システムの充実内容
新型クロスビーの主要な特徴|2025年モデルの進化ポイント

2025年10月に発売された新型クロスビーは、デビューから約8年を経て初めての大幅改良を受けたモデルです。スズキが親しみやすさから精悍さへの転換を掲げ、デザインだけでなく走行性能や安全装備まで全方位で進化を遂げています。ここでは新型クロスビーの核となる特徴を詳しく見ていきましょう。
デザインの刷新|親しみやすさから力強さへの進化
・フロントマスクの厚みを増してSUVらしいタフさを強調
・丸目を継承しつつ上部を切り欠いてシャープな印象に
・13種類の豊富なカラーバリエーション
新型クロスビーの最大の変化はエクステリアデザインです。ユーザー調査で親しみやすい印象が強く男性ユーザーが敬遠しがちだったことから、今回は精悍でスポーティな方向性へシフトしました。
フロントマスクの変更点
フロント部分では、ボンネットフード先端の位置を上げることでマスク全体に厚みを持たせています。これにより、SUVらしい力強さが一気に際立ちました。ヘッドライトは旧型同様に丸を基本としていますが、上部を切り欠いた形状に変更。これが「にらみを利かせた」精悍な表情を生み出しています。
上級グレードでは、白いリング状部分がポジションランプとターンランプを兼ねる仕様となり、点灯時により印象的な顔つきになります。バンパーには車体色を追加配置し、マスクの厚みをさらに強調しました。
ボディカラーバリエーション
新色「ミスティックブルー」を含む9種類の基本カラーを用意。ルーフやドアミラーカバーをブラック、ホワイト、グレーで塗り分けたツートン仕様も設定され、全13種類という豊富なバリエーションから選べます。これにより個性的なカラーリングを求めるユーザーのニーズにも応えています。
パワートレインの全面刷新|燃費向上と走行性能の両立
・1.0Lターボから1.2L自然吸気エンジン+CVTへ変更
・WLTCモード燃費22.8km/L(2WD)で約25%向上
・マイルドハイブリッドで加速時のエンジンアシスト
新型クロスビーでは、パワートレインを根本から刷新しました。従来の1.0L直列3気筒ターボエンジン+6速ATから、現行スイフトで採用されている高効率な1.2L直列3気筒自然吸気エンジン(Z12E型)とCVTの組み合わせに変更しています。
新型1.2Lエンジン+CVTの採用
この変更により、WLTCモード燃費は2WD車で22.8km/L、4WD車で21.0km/Lを実現(旧型2WD車は18.2km/L)。CVTは変速比を無段階に制御できるため、エンジンを効率の良い回転域で使用します。マイルドハイブリッドも継承されており、加速時のエンジンアシストで燃費向上に貢献しています。
マイルドハイブリッドシステムの継承
モーター機能付き発電機(ISG)を搭載したマイルドハイブリッドを継続採用。減速時のエネルギーを電気に変換して専用バッテリーに蓄え、加速時にエンジンをアシストします。
インテリアの質感向上|上質で使いやすい室内空間
・樹脂成形ながら革家具のような温かみのある質感を実現
・7インチデジタルメーターと新型ステアリングホイールを採用
・センターコンソール新設で収納性が向上




インテリアも全面的にデザインを刷新しました。インパネやドアトリムは樹脂成形でありながら、シボやステッチ、縁の造形に工夫を凝らし、革製家具に特有の温かみのある質感を表現しています。
センターの高い位置にディスプレイを配置し、その下右側にセレクターレバー、左側に空調パネルを置く基本レイアウトは踏襲。しかし各部の意匠は一新され、空調吹き出し口などは角を落とした長方形を反復させるデザインとなりました。
ステアリングホイールも新デザインを採用。メーターは7インチのデジタル式となり、基本画面、タコメーター画面、シンプル画面の3種類に切り替え可能です。上級グレードには先代になかったセンターコンソールが新設され、上段トレイはスマホ置きに便利です。
カップホルダーは630ml入りペットボトルや500ml入り紙パックに対応。助手席前のトレイはティッシュボックスがすっぽり収まるサイズです。USBポートも高出力充電が可能なType-Cに変更されました。
最新安全装備の充実|予防安全技術の進化
・単眼カメラ+ミリ波レーダー方式の衝突被害軽減ブレーキを新採用
・アダプティブクルーズコントロールに完全停止保持機能を追加
・車線維持支援にカーブ車速コントロールを追加
安全装備も大幅に強化されています。単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ(DSBS II)を新規採用し、標識認識機能も追加されました。上級グレードではアダプティブハイビームも装備されます。
上級グレードのアダプティブクルーズコントロール(ACC)には完全停止保持機能を追加。ブラインドスポットモニター(BSM)には降車時警報機能が加わりました。従来警報のみだった車線逸脱抑制機能も、操舵支援付きのシステムにアップデートされています。
車線維持支援機能(LKA)には、カーブでの車速コントロール機能を新たに追加。発進お知らせ機能には信号切り替わり検知機能も加わり、より実用的になりました。
さらに新機能として「アクティブコーナリングサポート」を搭載。カーブ走行時に外側にふくらみそうになると、内輪に軽くブレーキをかけて内向きのヨーモーメントを発生させ、ステアリング操作をサポートします。
旧型クロスビーとの違いを徹底比較|デザイン・性能・装備

新型と旧型、どちらを選ぶべきか迷っている方のために、主要な違いを比較表でまとめました。デザインの変化から性能向上、価格帯まで、具体的な数値で確認していきましょう。
エクステリアの比較|見た目の印象はどう変わった?
・フロントマスクの厚みが増してタフな印象に変化
・ヘッドライトは丸目継承しつつシャープに進化
・カラーバリエーションが13種類に拡大
エクステリアの印象は大きく変わりました。旧型が柔らかで親しみやすい印象だったのに対し、新型は精悍でスポーティな方向へ。特にフロントマスクは、ボンネットフード先端を上げたことで厚みが増し、SUVらしい存在感を強めています。
比較項目 | 旧型クロスビー | 新型クロスビー |
---|---|---|
フロントデザイン | 丸みを帯びた柔らかな印象 | 厚みを持たせたタフな印象 |
ヘッドライト | 丸型 | 上部切り欠きの丸型 |
バンパー | 樹脂部分が多い | 車体色部分を追加 |
カラー展開 | 基本色+ツートン | 9色+ツートン13種類 |
全体の印象 | カジュアル・親しみやすい | スポーティ・精悍 |
リヤデザインも変更され、大型ルーフエンドスポイラーや角張った形状のリアコンビランプを採用。サイドビューでも、より躍動感のあるデザインになっています。
燃費性能の比較|約25%の燃費向上を実現
・燃費は2WD車で18.2→22.8km/Lへ約25%向上
・エンジンを1.0Lターボから1.2L自然吸気+CVTに変更
・4WD車も21.0km/Lで約24%向上
燃費性能は新型の大きなアドバンテージです。パワートレインの全面刷新により、2WD車で約25%の燃費向上を達成しました。
項目 | 旧型クロスビー | 新型クロスビー | 向上率 |
---|---|---|---|
エンジン | 1.0L直3ターボ | 1.2L直3自然吸気 | - |
トランスミッション | 6速AT | CVT | - |
燃費(2WD・WLTCモード) | 18.2km/L | 22.8km/L | 約25%向上 |
燃費(4WD・WLTCモード) | 17.0km/L | 21.0km/L | 約24%向上 |
マイルドハイブリッド | 搭載 | 搭載(継続) | - |
CVTは変速比を無段階に制御できるため、エンジンを効率の良い回転域で使用します。マイルドハイブリッドも継承されており、加速時のエンジンアシストで燃費向上に貢献しています。
安全装備の比較|新型で追加された機能
・衝突被害軽減ブレーキが単眼カメラ+ミリ波レーダー方式に進化
・ブラインドスポットモニターに降車時警報を追加
・車線逸脱抑制が操舵支援付きにアップデート
安全装備は新型で大幅に強化されました。特に衝突被害軽減ブレーキは、単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた方式(DSBS II)に進化し、検知精度が向上しています。
安全装備 | 旧型クロスビー | 新型クロスビー |
---|---|---|
衝突被害軽減ブレーキ | 単眼カメラ方式 | 単眼カメラ+ミリ波レーダー |
標識認識機能 | なし | 新規搭載 |
アダプティブハイビーム | なし | 上級グレードに搭載 |
ACC完全停止保持 | なし | 上級グレードに搭載 |
車線逸脱抑制 | 警報のみ | 操舵支援付き |
車線維持支援 | あり | カーブ車速制御追加 |
BSM降車時警報 | なし | 追加 |
アクティブコーナリングサポート | なし | 新規搭載 |
新機能の「アクティブコーナリングサポート」は、カーブで外側にふくらみそうな時に内輪にブレーキをかけてコーナリングを安定させる機能です。安心してカーブを曲がれるようサポートします。
価格帯の比較|新型と旧型のコストパフォーマンス
・価格は2,212,100円からスタート
・装備の充実度が高くコストパフォーマンスに優れる
・全仕様がエコカー減税対象
新型クロスビーの価格帯は以下の通りです(税込)。
グレード | 駆動方式 | 新型価格 |
---|---|---|
ハイブリッドMX | 2WD | 2,212,100円~ |
ハイブリッドMX | 4WD | 2,388,100円~ |
ハイブリッドMZ | 2WD | 2,390,300円~ |
ハイブリッドMZ | 4WD | 2,555,300円~ |
旧型の最終価格と比べると若干の値上げとなっていますが、燃費性能は約25%向上し、安全装備も大幅に充実、インテリアの質感も向上しています。全仕様がエコカー減税に適合しているため、購入時の税金面での優遇措置を受けられます。
新型クロスビーの選び方|グレード別の特徴

新型クロスビーには大きく分けて2つのグレード(MXとMZ)があり、それぞれ2WDと4WDが選べます。ここでは各グレードの特徴と、どんな使い方をする人に向いているかを解説します。
ハイブリッドMXの特徴|コスパ重視の標準グレード
・価格は2WD 2,212,100円~、4WD 2,388,100円~と手頃
・基本的な安全装備と快適装備は十分に搭載
・インテリアは標準仕様ながら質感は高い
ハイブリッドMXは新型クロスビーのエントリーグレードですが、決して「廉価版」という印象はありません。基本的な安全装備はしっかり搭載されており、快適装備も必要十分です。
主な装備:
- 衝突被害軽減ブレーキ(DSBS II)
- 車線逸脱抑制機能
- 標識認識機能
- 7インチデジタルメーター
- オートエアコン
- キーレスプッシュスタート
- ヘッドライト(ハロゲン)
こんな人におすすめ:
- 初めてのSUVでコストを抑えたい方
- 日常使いがメインの方
- 基本性能と安全装備があれば十分な方
MXでも新型の恩恵である燃費向上やデザイン刷新、基本的な安全装備は全て搭載されています。
ハイブリッドMZの特徴|充実装備の上級グレード
・価格は2WD 2,390,300円~、4WD 2,555,300円~
・LEDヘッドライトや先進装備が充実
・センターコンソールやステアリングヒーター装備
ハイブリッドMZは上級グレードとして、快適装備や先進機能が大幅に充実しています。MXとの価格差は178,200円(2WD)で、以下の装備が追加されます。
MXから追加される主な装備:
- LEDヘッドライト(リング状ポジション&ターンランプ付き)
- アダプティブハイビーム
- アダプティブクルーズコントロール(完全停止保持付き)
- ヘッドアップディスプレイ(オプション)
- 9インチディスプレイナビ(オプション)
- センターコンソール(2段式)
- ステアリングヒーター
- 電動パーキングブレーキ
- ドライブモードセレクター(2WD車も選択可)
こんな人におすすめ:
- 高速道路を頻繁に利用する方(ACCが便利)
- 装備の充実度を重視する方
- 長期使用を見据えて上級グレードを選びたい方
MZは2WD車でもドライブモードセレクターが使えます。スポーツモード、スノーモード、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールなど、従来4WD専用だった機能が2WDでも利用可能です。
2WDと4WDの選び方|使用環境で判断するポイント
・価格差は約17.6万円
・燃費は2WDが22.8km/L、4WDが21.0km/L
・降雪地域や悪路走行の頻度で判断
2WDと4WDの選択は、主に使用環境によって決まります。価格差と燃費差を確認しながら、ご自身の使い方に合った駆動方式を選択してください。
比較項目 | 2WD | 4WD | 差額 |
---|---|---|---|
ハイブリッドMX | 2,212,100円~ | 2,388,100円~ | 176,000円 |
ハイブリッドMZ | 2,390,300円~ | 2,555,300円~ | 165,000円 |
WLTCモード燃費 | 22.8km/L | 21.0km/L | -1.8km/L |
2WDをおすすめする人:
- 都市部や舗装路がメインの方
- 燃費を優先したい方
- 降雪のない地域にお住まいの方
4WDをおすすめする人:
- 降雪地域にお住まいの方
- 未舗装路や山道を走る機会が多い方
- キャンプやアウトドアでの使用を想定している方
4WDの燃費差は1.8km/Lで、4WDでも21.0km/Lの燃費性能を実現しています。旧型4WDの17.0km/Lから約24%向上しました。
まとめ

新型クロスビーは約8年ぶりの大幅改良により、デザイン、性能、装備のすべてで大きく進化しました。最後に、選択のポイントを整理しておきましょう。
- デザインの進化:親しみやすさから精悍さへと方向性を転換し、SUVらしいタフさと力強さを獲得。13種類のカラーバリエーションで個性も表現できる
- 燃費性能の向上:1.2Lエンジン+CVTの採用で約25%の燃費向上を実現。2WD車で22.8km/Lという優れた経済性を達成
- 安全装備の充実:単眼カメラ+ミリ波レーダー方式の衝突被害軽減ブレーキをはじめ、最新の予防安全技術を搭載。アクティブコーナリングサポートなど新機能も追加
- グレード選択:コスパ重視ならMX(2WD 2,212,100円~)、装備充実を求めるならMZ(2WD 2,390,300円~)。価格差178,200円で充実した装備が追加される
- 駆動方式の選択:都市部メインなら2WD、降雪地域や悪路走行が多いなら4WD。燃費差は1.8km/Lで、必要性があれば4WDの選択を
- 旧型との比較:新型は価格こそ若干上昇したものの、燃費向上、安全装備充実、質感向上を考えると総合的な価値は高い
新型クロスビーは、コンパクトなボディに実用性とデザイン性を高次元で融合させた魅力的なクロスオーバーSUVです。8年間で培ったノウハウと最新技術を投入し、より幅広いユーザーに訴求できるモデルへと進化しました。ぜひ実車を見て、試乗して、あなたのライフスタイルに最適な一台を見つけてください。