
「いつかはクラウン」。かつて日本のドライバーにとって憧れの象徴だったクラウンが、衝撃的な変貌を遂げてからしばらく経ちました。「セダンじゃないクラウンなんて」「デザインが奇抜すぎる」……発売当初、ネット上には戸惑いと批判の声が溢れました。
しかし現在、街中でクラウンクロスオーバーを見かける機会が増え、「実車を見ると意外とかっこいい」「理にかなったパッケージングだ」と評価を見直す声も増えています。あなたも今、この新しいクラウンが気になり始め、購入を検討している一人ではないでしょうか?
この記事では、賛否両論渦巻くクラウンクロスオーバーの**「デザイン」「内装」「走り」**について、忖度なしの辛口評価も交えて徹底解剖します。「内装が安っぽいというのは本当か?」「立体駐車場には入るのか?」「ハイブリッドシステムはどっちを選ぶべきか?」といった、購入前に誰もが抱く疑問と不安を解消します。
伝統と革新の狭間で生まれたこの車が、あなたのライフスタイルに合う「次世代の相棒」になり得るのか。後悔しない選択のために、真実の姿を紐解いていきましょう。
この記事のポイント
- 外観デザインの「賛否」と、実車で感じる存在感の違い
- 口コミで指摘される「内装の質感不足」の具体的な箇所と許容範囲
- 2.5Lハイブリッドと2.4Lターボハイブリッドの決定的な性格差
- ハリアーやレクサスNXと比較した際のコスパと満足度
「ダサい」の声は本当?デザイン評価の二極化

クラウンクロスオーバーのデザインは、発表当初から現在に至るまで、評価が真っ二つに分かれています。「未来感的でスタイリッシュ」と捉えるか、「クラウンの品格がない」と捉えるか。ここでは、その評価の分かれ目を深掘りします。
内装の質感は「価格相応」か?オーナーのリアルな口コミ


「外装は慣れたが、内装だけは納得できない」……そんな厳しい声も聞かれるインテリア。600万円前後の高級車として、その質感は合格点に達しているのでしょうか。
指摘される「プラスチック感」の正体
内装における主な不満点は以下の通りです。
- ドアトリムやインパネの素材: 手に触れる部分にハードプラスチックが多く使われている。
- 加飾の少なさ: 歴代クラウンにあった木目調パネルやメッキ装飾が減り、全体的にシンプル(地味)すぎる。
- シフトノブ周辺: プリウスなど下位車種との共通性を感じさせるデザイン。
これらは、従来の「わかりやすい高級感(重厚・煌びやか)」を求めて乗り換えた層にとっては、明らかなスペックダウンに映ります。
逆に評価されている「機能美」と「居心地」
一方で、肯定的な意見も少なくありません。
- 視界の良さ: 水平基調のダッシュボードと高めのアイポイントにより、見切りが良く運転しやすい。
- 全席特等席: 「アイランドアーキテクチャー」というコンセプト通り、どの席に座っても包まれ感があり、居心地が良い。
- 最新のUI: 大型12.3インチディスプレイの視認性や、コネクティッドナビの使い勝手は現代的で評価が高い。
| 評価軸 | 従来のクラウン(高級セダン) | クラウンクロスオーバー |
| 高級感の演出 | 重厚、木目調、メッキ、ソフトパッド多用 | シンプル、機能的、カッパー加飾、再生素材 |
| コクピット | 囲まれ感、ドライバー優先 | 開放感、視界良好、フラットデザイン |
| ターゲット感性 | 「豪華さ」を所有する喜び | 「使いやすさ・スマートさ」の体験 |
走り・乗り心地徹底比較:2つのパワートレーン
クラウンクロスオーバーには、性格の全く異なる2つのハイブリッドシステムが用意されています。ここがグレード選びの最大の悩みどころです。
2.5L ハイブリッド(G / Xグレード)
特徴: 熟成されたトヨタのTHS IIシステムを採用。

- メリット: 燃費性能が圧倒的(WLTCモード 22.4km/L)。レギュラーガソリン仕様で経済的。静粛性が高く、滑らかな加速。
- デメリット: 急加速時にエンジン音が大きくなりがち。スポーツ走行のような刺激は少ない。
- おすすめな人: 街乗りや長距離移動が多く、燃費と快適性を最優先する人。
2.4L ターボハイブリッド(RSグレード)
特徴: 新開発「デュアルブーストハイブリッドシステム」を採用。

- メリット: システム最高出力349psの圧倒的なパワー。アクセル操作にリニアに反応するダイレクト感。6速ATのような変速フィールがあり運転が楽しい。
- デメリット: ハイオク仕様で燃費はそこそこ(WLTCモード 15.7km/L)。価格が高い。
- おすすめな人: 「走りのクラウン」を求めている人。高速道路での追い越しやワインディングを楽しみたい人。
魔法の技術「DRS(後輪操舵)」
全車標準装備のDRSが、巨体を操るストレスを消し去ります。

- 低速時: 後輪を逆相に切り、最小回転半径5.4mを実現(コンパクトカー並み)。狭い駐車場やUターンが驚くほど楽。
- 高速時: 後輪を同相に切り、レーンチェンジでの安定性を向上。ビシッと路面に張り付くような安心感。
このDRSこそが、クラウンクロスオーバーを「ただの背の高い車」ではなく「意のままに操れる高級車」にしている最大の要因です。
ライバル車比較:ハリアー・レクサスNXとの違い

購入検討時、必ず比較対象に挙がるのが「トヨタ ハリアー」と「レクサス NX」です。
| 比較項目 | クラウンクロスオーバー (G Advanced) | ハリアー (Z Leather Package) | レクサス NX (NX350h) |
| 価格帯 | 約510万円〜 | 約480万円〜 | 約520万円〜 |
| ボディタイプ | セダン×SUV (全高1,540mm) | 純SUV (全高1,690mm) | 純SUV (全高1,640mm) |
| 駆動方式 | E-Four (4WD) 標準 | FF / E-Four | FF / E-Four |
| 内装の質感 | △ シンプル・樹脂感あり | ○ 上質・レザー感強め | ◎ 非常に高い・高級感あり |
| 乗り心地 | ◎ フラットで揺れが少ない | ○ ソフトだが揺すられ感あり | ◎ スポーティで引き締まっている |
| 後席居住性 | ◎ 足元広々・乗降性抜群 | ○ 一般的な広さ | △ ややタイト |
| 納期・入手性 | 比較的早い傾向 | 長期化傾向 | 長期化傾向 |
選択の決め手:
- ハリアー: 「わかりやすい高級感」と「リセールバリュー」重視ならハリアー。ただし街中に溢れている。
- レクサスNX: 「ブランド力」と「内装品質」重視ならNX。ただし同価格帯だと装備が簡素になる可能性あり。
- クラウンクロスオーバー: 「乗り心地」「後席の快適さ」「運転のしやすさ(視界・小回り)」を重視するならベストバイ。
まとめ:クラウンクロスオーバーは「買い」か?
クラウンクロスオーバーは、従来の「クラウン像」を求めて買うと後悔するかもしれません。しかし、**「現代の日本の道路事情に最適化された、快適で実用的な高級車」**として見れば、これほど完成度の高い車は稀有です。
失敗しない選び方診断
- 「デザインが好き」「燃費重視」「快適な移動空間が欲しい」
- → 2.5L ハイブリッド(Gグレード推奨) が正解。最もバランスが良く、コスパが高い選択です。
- 「人とは違う車に乗りたい」「走りを楽しみたい」「内装も最上級がいい」
- → 2.4L ターボハイブリッド(RSグレード) 一択。価格は張りますが、全く別の車のようなパフォーマンスを味わえます。
- 「どうしても内装の樹脂感が許せない」
- → 一度「クラウン スポーツ」や「クラウン セダン」も検討してみてください。質感の方向性が異なります。
「百聞は一見に如かず」。まずはディーラーで、その乗り降りのしやすさと、魔法のような小回り性能を体験してみてください。きっと、食わず嫌いが解消されるはずです。