
ついに、あのGRカローラが「普通に買える」車として帰ってきました。
2025年9月18日、TOYOTA GAZOO RacingはGRカローラの一部改良を発表。最大のトピックは何と言っても8速AT(GR-DAT)の追加とエンジントルクの400Nmへの向上、そして抽選販売から通常販売への移行です。これまで「MT免許がないから」「抽選に外れ続けて」と涙を飲んでいた方にとって、今回の改良はまさに待望のニュースでしょう。
しかし、変更点はそれだけではありません。ボディ剛性の強化や冷却性能の向上など、見えない部分でも凄まじい進化を遂げています。本記事では、前期型からの変更点を徹底的に洗い出し、新型GRカローラがどのように進化したのか、そしてどちらのグレードを選ぶべきか、詳細に解説していきます。
この記事のポイント
- 待望の8速AT「GR-DAT」追加で、より幅広い層がスポーツ走行を楽しめるように
- 最大トルクが370Nmから400Nmへ向上し、加速性能が大幅アップ
- 構造用接着剤を約14m追加し、ボディ剛性と操作応答性が劇的進化
- 冷却用「クールエアダクト」追加で、夏場のサーキット走行も安心
- 抽選販売が廃止され、誰でもディーラーで注文可能に
走行性能の劇的進化:DAT搭載とトルクアップ
今回の改良における最大の目玉は、パワートレインの大幅なアップデートです。「変更点」というキーワードで検索している方が最も気にしているであろう、トランスミッションとエンジンスペックの進化について詳しく解説します。
「GR-DAT」追加で変わるスポーツ走行の世界観

これまで6速MTのみの設定だったGRカローラに、ついに8速AT(GR-DAT:GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)が追加されました。
これは単なる「楽なAT」ではありません。プロドライバーの変速タイミングを徹底的に解析し、Dレンジのままでもサーキット走行で最適なギアを選択してくれる、まさに「勝つためのAT」です。
- 多段化によるクロスレシオ化: 8速化により、エンジンのパワーバンド(おいしい回転域)を維持しやすくなりました。
- 世界トップレベルの変速スピード: MTの熟練ドライバーをも凌ぐ変速速度を実現し、タイムロスのない加速を提供します。
- AT限定免許でも乗れる: これが最も大きな社会的インパクトでしょう。家族と共有する一台としても現実的な選択肢になりました。
モリゾウエディション並みのトルク400Nmを実現

エンジン(G16E-GTS)にも手が入りました。最高出力こそ304PSで据え置きですが、最大トルクは従来の370Nmから400Nmへと、約30Nm向上しています。
これは、かつての限定車「モリゾウエディション」と同等のスペックです。
- 中速域のパンチ力: 30Nmの差は、街乗りでの追い越しやコーナー立ち上がりで明確に体感できます。
- GR-DATとの相性: トルクアップはATとの相性が抜群で、息継ぎのない強烈な加速フィールを味わえます。
| 項目 | 改良前(~2024) | 改良新型(2025.9~) | 変更によるメリット |
| トランスミッション | 6MTのみ | 6MT / 8AT (GR-DAT) | AT限定でも運転可能、イージードライブと速さの両立 |
| 最大トルク | 370N・m | 400N・m | 30N・mアップによる加速力の向上 |
| 最高出力 | 304PS | 304PS | (変更なし) |
見えない部分こそ重要!ボディ剛性と冷却性能の強化
カタログスペックの数値以上に注目すべきなのが、「走りの質」を支えるボディと冷却系の改良です。トヨタが「スーパー耐久シリーズ」などのモータースポーツ現場で壊しては直して培ったノウハウが、惜しみなく投入されています。
構造用接着剤を+13.9m延長してボディ剛性強化

「意のままの走り」を実現するために、ボディ剛性がさらに強化されました。具体的には、構造用接着剤の塗布範囲を従来モデル比で約13.9m延長し、合計32.7mとしています。
- 強化ポイント: フロントボディ、フロア、リヤホイールハウス周辺など、入力が大きい部位を重点的に補強。
- 効果: ステアリング操作に対する車の反応(応答性)が向上し、高速コーナーでの安定感が別次元になりました。特に海外サーキットのような高いGがかかる環境でも、ボディが悲鳴を上げません。
クールエアダクト追加で熱対策も万全


GRカローラの弱点とも言われていた「熱問題」に対しても、明確な対策が施されました。新たに**「クールエアダクト(2次吸気ダクト)」**がフロントバンパー内に追加されています。
- 仕組み: フロントバンパーの開口部からフレッシュエアを直接取り込み、吸気温度を下げます。
- メリット: 夏場のサーキット連続走行や、峠道での高負荷走行時でもパワーダウン(熱ダレ)を抑制します。これまで社外品で対策していたような内容が、純正で採用された形です。
日常使いも楽しくなる?装備と供給体制の変更点
GRカローラは「野性味」あふれる車ですが、今回の改良では日常の使い勝手や、所有する満足感を高めるアップデートも行われています。
JBLサウンドシステムと「ASC」の進化

メーカーオプションのJBLプレミアムサウンドシステムも進化しました。
- サブウーハー追加: スピーカー数が8個から9個になり、低音の厚みが増しました。
- アクティブサウンドコントロール (ASC): これが面白い変更点です。スピーカーから擬似的なエンジン音や排気音を流す機能ですが、新型ではよりリアルな**「バブリング音(アクセルオフ時のボロボロという音)」**まで再現されるようになりました。設定でOFFにすることも可能です。
ついに「抽選なし」で購入可能に!
スペック上の変更ではありませんが、購入検討者にとって最大の変更点は**「供給体制の見直し」でしょう。
これまでは台数限定の抽選販売で、欲しくても買えない状況が続いていました。しかし、2025年9月の改良モデルからは通常販売**へと移行しています。
- メリット: ディーラーに行けば普通に商談・注文ができます。
- 注意点: 納期は変動する可能性があるため、早めの問い合わせが必要です。
比較まとめ:前期型オーナーも乗り換えるべき?

最後に、今回の改良新型GRカローラが「買い」なのか、グレードごとの比較と選び方を整理します。
新旧モデル比較・選択ガイド
| 比較項目 | 前期型 (RZ) | 改良新型 (RZ 6MT/DAT) | 判定・選び方 |
| 購入しやすさ | 抽選のみ(入手困難) | 通常販売 | 欲しい時に買える新型が圧倒的有利 |
| 加速性能 | 十分速い (370Nm) | さらに速い (400Nm) | モリゾウEdition級の加速が欲しいなら新型 |
| 操作性 | MTの操る楽しさ | MTの楽しさ + ATの速さ | AT限定免許の方、タイム重視の方は新型DAT一択 |
| 限界性能 | 冷却・剛性に課題あり | 対策済み | サーキットを走るなら、対策済みの新型が安心 |
| 価格 | 525万円〜 | 568万円〜 (DATは598万円) | 価格上昇は約40〜70万円。内容を考えれば割安 |
こんな人におすすめ
【改良新型(特にDAT)がおすすめな人】
- AT限定免許だが、本物のスポーツカーに乗りたい人
- サーキットでタイムを削りたい、プロのような変速を体感したい人
- 前期型の抽選に外れてしまい、ずっと購入の機会を待っていた人
- 日常使い(渋滞など)も考慮して、イージードライブも捨てられない人
【MTモデル(改良型)がおすすめな人】
- 「車を操る感覚」そのものを最優先したい人
- トルク400Nmに進化した最強のMTハッチバックに乗りたい人
まとめ

2025年のGRカローラ改良は、単なる「年次改良」の枠を超えたビッグマイナーチェンジと言えます。
「GR-DATの追加」「トルク400Nm化」「ボディ・冷却の強化」、そして**「通常販売化」**。これら全ての要素が、ユーザーの「欲しい」という声に応えるものです。
特に、これまでMTというハードルで購入を躊躇していた層にとって、GR-DAT搭載モデルは最高の選択肢となるでしょう。スーパーカー並みの性能を、カローラという実用的なボディで、しかもATで楽しめる。そんな夢のような一台が、ついに誰でも買えるようになったのです。
迷っている暇はありません。供給体制が改善されたとはいえ、世界的な人気車種です。気になっている方は、今すぐお近くのGR Garageで商談を始めることを強くおすすめします。