
2025年のGRカローラには、大きく分けて2段階の進化がありました。
まず2025年2月4日に発表され、3月3日に発売された「進化型GRカローラ」では、新開発8速AT「GR-DAT」が追加され、最大トルクも370N・mから400N・mへ向上しました。
続いて2025年9月18日に発表され、11月3日に発売された一部改良モデルでは、構造用接着剤の追加によるボディ骨格の強化、クールエアダクトの追加、JBLプレミアムサウンドシステムの機能向上などが実施されています。
本記事では、この2回の改良を分けて整理し、従来型から何が変わったのかを時系列で解説します。
この記事のポイント
- 2025年3月発売モデルで8速AT「GR-DAT」を追加
- 2025年3月発売モデルで最大トルクを370N・mから400N・mへ向上
- 2025年11月発売モデルで構造用接着剤を13.9m追加し、合計32.7mへ拡大
- 2025年11月発売モデルでクールエアダクト(2次吸気ダクト)を追加
- 2025年11月発売モデルでJBLを8スピーカーから9スピーカーへ強化(ASC新設)
- 2025年9月の発表時から全国のトヨタ車両販売店で注文受付を開始
GRカローラは2025年に2段階で進化した
2025年のGRカローラ改良は1度ではなく、3月と11月の2回に分けて実施されています。時系列を整理することで、どのモデルにどの変更が適用されているのかが明確になります。
| 項目 | 2025年3月発売モデル | 2025年11月発売モデル |
| 発表日 | 2025年2月4日 | 2025年9月18日 |
| 発売日 | 2025年3月3日 | 2025年11月3日 |
| 主な変更内容 | GR-DAT追加、最大トルク400N・m化、GR-FOUR制御変更、旋回・加速・冷却性能向上、SPORT Package設定、サーキットモード設定 | 構造用接着剤を合計32.7mへ拡大、クールエアダクト追加、JBL 9スピーカー化・サブウーハー追加、ASC追加、ANCチューニング最適化、供給体制見直し |
| 価格(RZ) | iMT(6速MT)568万円、GR-DAT 598万円 | iMT(6速MT)568万円、GR-DAT 598万円 |
2025年3月発売の進化型でGR-DATと400N・mを採用
GR-DATの追加と最大トルク400N・m化は、2025年9月の一部改良ではなく、2025年2月4日に発表され、3月3日に発売された進化型GRカローラで実施された変更です。
8速AT「GR-DAT」を新たに追加

GR-DATは2025年9月の一部改良で追加された装備ではなく、2025年2月4日に発表され、3月3日に発売された進化型GRカローラから設定されています。これまでiMT(6速MT)のみの設定だったGRカローラに、GR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)と呼ばれる8速オートマチックトランスミッションが追加されました。
GR-DATは、ブレーキやアクセル操作をもとにドライバーの操作を先読みし、走行状況に応じたギアを選択する8速オートマチックトランスミッションです。多段化によってエンジンの高出力域を活用しやすく、AT限定免許でもGRカローラを運転できる点も大きな特徴です。
- 多段化によるクロスレシオ化: 8速化により、エンジンのパワーバンドを維持しやすくなりました。
- パドルシフト操作: ステアリング上のパドルを使った任意変速にも対応しています。
- AT限定免許でも運転可能: これにより、これまでMT免許という条件があったGRカローラをより幅広い層が選択できるようになりました。
最大トルクを370N・mから400N・mへ向上

エンジン(G16E-GTS)の最大トルクが、2023年発売モデルの370N・mから400N・mへ向上しました。2025年11月発売モデルで新たに400N・mへ向上したのではなく、2025年3月発売の進化型ですでに400N・mへ変更されています。最高出力は304PSのまま変更はありません。
- 2023年発売モデル: 370N・m
- 2025年3月発売の進化型: 400N・m
- 2025年11月発売の一部改良モデル: 400N・mを継続
30N・mの向上により、中速域の加速性能向上が期待できます。
| 項目 | 2023年発売モデル | 2025年3月発売モデル | 変更によるメリット |
| トランスミッション | iMT(6速MT)のみ | iMT(6速MT)/GR-DAT(8速AT) | AT限定でも運転可能、幅広いドライバーが選択可能に |
| 最大トルク | 370N・m | 400N・m | 30N・mアップによる中速域の加速性能向上 |
| 最高出力 | 304PS | 304PS | (変更なし) |
SPORT Packageとサーキットモードをメーカーオプションおよびアプリで設定
2025年3月発売モデルでは、SPORT Package(メーカーオプション、253,000円)が設定されました。主な内容は以下のとおりです。
- 専用セミバケットシート
- ウルトラスエード巻きステアリング
- ウルトラスエード巻きシフトノブ
- レッドシートベルト
また、専用アプリを通じてサーキットモードを設定できるようになりました。サーキットモードでは以下の機能が有効になります。
- アンチラグ制御
- スピードリミッター上限速度の引き上げ
- クーリングファン出力の最大化
- シフトタイミングインジケーター
ただし、サーキットモードは対応サーキット・施設での使用を前提とした機能であり、専用アプリおよび所定の利用条件があります。どこでも使用できる機能ではありません。
2025年11月発売の一部改良モデルでボディ・冷却・サウンドを強化
2025年9月18日に発表、11月3日に発売された一部改良モデルでは、パワートレインへの変更ではなく、ボディ骨格、吸気冷却、サウンドシステム、供給体制の面で改良が加えられています。
- 構造用接着剤を13.9m追加し、合計32.7mへ拡大
- クールエアダクトを追加(エアクリーナー下方の2次吸気口へ)
- JBLプレミアムサウンドシステムの強化とASCの新設
- 供給体制を見直し、全国のトヨタ販売店で注文受付
構造用接着剤を13.9m追加し、合計32.7mへ拡大

構造用接着剤の塗布範囲を、従来のRZグレード比で13.9m延長し、合計32.7mとしました。フロントボディ、フロア、リヤホイールハウス付近を中心に補強することで、質量増加を抑えながらボディ骨格の剛性を高めています。トヨタは、街乗りからサーキット走行まで、クルマとドライバーの一体感向上を狙った改良と説明しています。
クールエアダクトを追加(エアクリーナー下方の2次吸気口へ)


長時間の全開走行によってエンジンルーム内の温度が上昇した際にも、安定したエンジン出力を維持しやすくするため、エアクリーナー下方の2次吸気口にクールエアダクトが追加されました。フロントグリルから外気を直接取り込み、高負荷連続走行時の吸入空気温度上昇を低減する仕組みです。
JBLプレミアムサウンドシステムの強化とASCの新設

メーカーオプションのJBLプレミアムサウンドシステム(ディスプレイオーディオ〈コネクティッドナビ対応〉Plusとのセットオプション)も進化しました。
- スピーカー数: 8スピーカーから9スピーカーへ変更。ラゲージにサブウーハーを追加し、低音の厚みが増しています。
- アクティブノイズコントロール(ANC): チューニングを最適化し、静粛性を向上。
- アクティブサウンドコントロール(ASC): 車両の加減速や駆動力の変化に応じたスポーツサウンドをスピーカーから鳴動させる機能が新設されました。走行モードに応じた3パターンのサウンドがあり、音量は3段階およびOFFから選択可能です。工場出荷時の設定はOFFです。
なお、バブリングサウンド(アクセルオフ時のサウンド)については、実際の排気音が変化するのではなく、スピーカーから再現されるサウンドです。
供給体制を見直し、全国のトヨタ販売店で注文受付
2022年の発売時などには台数限定の抽選販売が行われましたが、2025年9月発表モデルでは供給体制が見直され、全国のトヨタ車両販売店で注文受付が開始されました。ただし、実際の受注可否、販売枠、納期は販売店や時期によって異なる可能性があります。購入を検討する場合は、最寄りの販売店へ最新状況を確認してください。
走行性能の変化を数値で確認
2023年モデル向けアップグレードも予定
2025年9月の公式発表では、2023年発売モデルを対象とするアップグレードプログラムの開発も案内されています。
- 対象: 2023年発売モデル
- 内容: 最大トルクを370N・mから400N・mへ向上、GR-FOUR制御を変更
- GR-FOUR制御変更の詳細: REARモードの前後配分を30:70から50:50(GRAVELモード相当)へ変更。TRACKモードを固定50:50から前60〜30:後40〜70の可変制御へ変更
- 提供予定時期: 公式発表時点では2026年春提供予定とされていました
- 価格など詳細: 別途案内予定とされていました
実施状況や最新の詳細については、GRカローラ公式車種ページまたは最寄りの販売店にご確認ください。
オーナーレビューに見るGRカローラの実感
新旧の選択の参考に、実際のオーナーの評価も見ておきましょう。carview!(カービュー)のGRカローラユーザーレビューには100件を超える評価が寄せられ、総合評価は5点満点中4点台。GR-FOURによるコーナリングと安定感、迫力あるデザインへの満足が中心で、MTとGR-DAT(AT)双方のオーナーレビューが投稿されています(参考:carview! GRカローラ ユーザーレビュー)。
一方で、乗り心地の硬さと燃費、荷室の狭さへの指摘もあります。年式の新しいモデルでは乗り心地や静粛性の改善を報告する声も見られ、本文で解説した2段階の進化はオーナーの実感にも表れています。
比較まとめ:新旧モデルと選択のポイント

新旧モデル比較・選択ガイド
| 比較項目 | 2023年発売モデル(RZ) | 2025年11月発売モデル(RZ iMT/GR-DAT) | 判定・選び方 |
| 購入機会 | 2022年・2023年の一部販売では台数限定の抽選を実施 | 全国の販売店で注文受付。ただし販売枠や受注状況は要確認 | 注文機会は拡大。ただし購入前に必ず最寄り販売店へ確認を |
| 加速性能 | 370N・m | 400N・m(2025年3月モデル以降) | 中速域の加速性能向上。30N・mのトルクアップ |
| 操作性 | iMT(6速MT)のクルマを操る感覚 | iMT(6速MT)+GR-DAT(8速AT)を選択可能 | AT限定免許の方はGR-DAT。MTの操作感を重視する方はiMT |
| 高負荷走行 | — | 2025年11月モデルではボディ骨格と吸気冷却性能をさらに強化 | 高負荷連続走行を重視する場合は、クールエアダクトとボディ強化が施された2025年11月モデルが有力候補 |
| 価格 | (比較する年式によって異なります) | iMT 568万円、GR-DAT 598万円(2025年11月発売モデル) | 旧モデルとの価格差は比較する年式によって異なります |
こんな人におすすめ
【GR-DATが向いている人】
- AT限定免許でGRカローラを運転したい人
- 日常の渋滞時の扱いやすさも重視する人
- 素早い自動変速とパドル操作を楽しみたい人
参考諸元:車両重量1,500kg、WLTCモード燃費10.8km/L(サブラジエーター装着時は+10kg)
【iMT(6速MT)が向いている人】
- クラッチとシフトを自分で操作する感覚を重視する人
- 車両重量がGR-DAT車より20kg軽い点を重視する人
- WLTCモード燃費12.4km/Lを重視する人
参考諸元:車両重量1,480kg、WLTCモード燃費12.4km/L(サブラジエーター装着時は+10kg)
まとめ

2025年のGRカローラは、3月発売の進化型と11月発売の一部改良モデルという、2段階で進化しました。
3月発売モデルでは、8速AT「GR-DAT」の追加、最大トルク400N・m化、SPORT Packageやサーキットモードの設定など、パワートレインと走行機能が大きく強化されました。
11月発売モデルでは、構造用接着剤を13.9m追加して合計32.7mとしたほか、クールエアダクト、9スピーカーJBLシステム、ASCなどを採用。高負荷走行時の性能安定性と日常使用時の快適性がさらに高められています。
価格はiMT(6速MT)が568万円、GR-DATが598万円です。ただし、実際の注文可否や納期は販売店や時期によって異なるため、購入時には最寄りのトヨタ販売店で最新情報を確認してください。
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