
この記事は2026年6月時点の日本仕様をもとに作成しています。価格、装備、補助金、充電サービスなどは変更される可能性があります。
レクサス初のバッテリーEV(BEV)専用モデルとして登場した「RZ」。BEV専用プラットフォームを採用し、走行性能と快適性を高い次元で両立させたモデルです。2025年12月24日に新型モデルへ刷新され、現在の日本仕様はRZ550e "F SPORT"、RZ500e "version L"、RZ350e "version L"の3モデル構成になっています。
「どのモデルを選ぶべきか」「ステアバイワイヤはどのモデルに設定されるのか」「航続距離はどれくらい違うのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。現行RZには、スポーツ性能を追求したRZ550e "F SPORT"、走行性能と快適性のバランスに優れるRZ500e "version L"、航続距離と効率を重視したRZ350e "version L"が用意されています。本記事では、3モデルの価格、駆動方式、出力、航続距離、装備の違いを比較し、用途別に適したモデルを解説します。
この記事のポイント
- 現行RZはRZ550e "F SPORT"、RZ500e "version L"、RZ350e "version L"の3モデル構成
- RZ550e "F SPORT"は300kW(407.8PS相当)の高出力とステアバイワイヤを備えるスポーツモデル
- RZ500e "version L"はDIRECT4によるAWD性能と上質装備を両立したバランス型
- RZ350e "version L"は18インチ装着時で最長733kmの航続距離を持つFWDモデル
- 価格はメーカー希望小売価格(税込)790万円から950万円
- タイヤサイズによって航続距離が変わる点に注意
レクサスRZとは?BEV専用モデルとしての特徴と現行モデルの進化

レクサスRZは、既存のガソリン車をベースにした派生モデルではなく、ゼロからBEV専用として開発されました。その根幹にあるのが、BEV専用プラットフォーム「e-TNGA」の採用です。
バッテリーを床下に敷き詰めることで低重心化を実現し、ボディ剛性の確保に寄与しています。また、エクステリアデザインは、エンジンの冷却を必要としないBEVならではの造形「スピンドルボディ」へと進化。空力性能とデザイン性を両立させたフォルムは、一目で次世代のレクサスと分かる存在感を放っています。
2025年12月24日に発売された現行型では、BEVシステムが全面的に刷新されました。モーターの高出力化、バッテリー容量と制御の見直しにより一充電走行距離が伸長し、急速充電時間も短縮されています。プラットフォームやサスペンションの改良、DIRECT4の駆動力配分制御の見直しも実施されました。また、新たにRZ550e "F SPORT"がラインナップに追加され、スポーツ志向のユーザーにも明確な選択肢が生まれています。
走りを支える「DIRECT4」とステアバイワイヤ
RZの走りを語る上で欠かせないのが、駆動力制御技術と一部モデルに設定されるステアリングシステムです。
- AWD駆動力制御システム「DIRECT4」:前後に搭載したeAxleを統合制御し、走行状況やドライバーの操作に応じて前後の駆動力配分を最適化するAWDシステムです。発進時のトラクション、旋回時の安定性、加減速時の自然な姿勢変化を両立します。DIRECT4はRZ550e "F SPORT"とRZ500e "version L"に搭載されます。FWDのRZ350e "version L"にはDIRECT4は搭載されません。
- ステアバイワイヤシステム(RZ550e "F SPORT"に設定):ステアリングとタイヤを機械的に直結せず、電気信号で操舵を制御するシステムです。低速域では少ない操作量で取り回しやすく、高速域では安定した操舵感を実現します。ロック・トゥ・ロック約200度のため、通常の交差点や車庫入れなどでステアリングを持ち替える操作を大幅に減らせます。ステアリング形状には「ワンモーショングリップ(異形ステアリング)」を採用しており、ドライバーの操作に対して自然で安定した挙動を目指しています。
- 高剛性ボディと静粛性:レーザースクリューウェルディングや構造用接着剤を多用し、ボディ剛性を強化。BEV特有の静けさに加え、ロードノイズや風切り音を抑制し、快適な車内空間を作り出しています。
ラグジュアリーとサステナビリティが融合した室内空間

インテリアは、人間中心の思想に基づき、機能性と居心地の良さを追求しています。
人馬一体を感じさせる「Tazuna Concept」
コックピットデザインには、手綱(たずな)一本で馬と意思疎通を図る様子に着想を得た「Tazuna Concept」を採用。視線移動や煩雑なスイッチ操作を減らし、運転に集中できる環境を整えています。14インチの大型タッチディスプレイとヘッドアップディスプレイが連携し、必要な情報を直感的に把握できます。ヘッドアップディスプレイはグレードや装備条件によって内容が異なります。
快適性を高める装備と素材
- 輻射ヒーター:運転席・助手席の足元に設定される輻射ヒーターは、温風への依存を抑えながら足元を温める仕組みです。装備条件はグレードや仕様によって異なります。
- 調光機能付きパノラマルーフ:メーカーオプションとして設定され、スイッチ操作でガラスの透過状態と遮光状態を切り替えられます。開放感を保ちながら日差しを遮ることができ、ヘッドクリアランス(頭上空間)も確保されています。
- サステナブルな素材:本革に代わりバイオ素材を使用したウルトラスエードがシートやドアトリムに設定されます。装備条件はグレードによって異なります。
- マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステム:メーカーオプションとして選択できる高音質オーディオシステムです。
- デジタルインナーミラー:グレードや装備条件によって設定が異なります。
RZ550e "F SPORT"だけのスポーティな装備
RZ550e "F SPORT"は、現行RZラインナップの頂点に位置するスポーツモデルです。他の2モデルとは異なる専用装備が数多く設定されています。
- システム最高出力300kW(407.8PS相当):3モデル中最高の出力を持ちます。
- 0-100km/h加速4.4秒:力強い加速性能を実現しています。
- ステアバイワイヤシステム:ステアリングとタイヤを機械的に直結せず、電気信号で操舵を制御。従来の機械式ステアリングとは異なる操舵感を体験できます。
- ワンモーショングリップ(異形ステアリング):ロック・トゥ・ロック約200度のため、通常の交差点や車庫入れなどでステアリングを持ち替える操作を大幅に減らせます。
- インタラクティブマニュアルドライブ:実際の多段変速機ではなく、パドル操作と駆動力制御、疑似変速感、アクティブサウンドコントロールを連携させてマニュアル車のような運転感覚を演出する機能です。
- パドルシフト:インタラクティブマニュアルドライブに連動する操作系として設定されています。
- アクティブサウンドコントロール:走行状況に応じたサウンドを演出します。
- 専用F SPORT内外装・20インチF SPORTアルミホイール:スポーティな外観と専用チューニングを施した走行性能を両立しています。
- F SPORTスポーツシート・専用の走行チューニング:サスペンション設定などにF SPORT専用のチューニングが施されています。
グレード構成と価格・スペック比較

現行レクサスRZは、AWD(DIRECT4)のRZ550e "F SPORT"とRZ500e "version L"、FWDのRZ350e "version L"という3モデル構成です。それぞれの違いを比較し、ご自身のライフスタイルに合ったモデルを選びましょう。
| 項目 | RZ550e "F SPORT" | RZ500e "version L" | RZ350e "version L" |
|---|---|---|---|
| 価格(税込) | 950万円 | 850万円 | 790万円 |
| 駆動方式 | AWD・DIRECT4 | AWD・DIRECT4 | FWD |
| システム最高出力 | 300kW (407.8PS) | 250kW (339.9PS) | 165kW (224.3PS) |
| 0-100km/h加速 | 4.4秒 | 5.3秒 | 7.5秒 |
| 一充電走行距離(WLTC) | 582km | 579km/629km (20"/18") | 733km/648km (18"/20") |
| タイヤ(選択肢) | 20インチ | 20インチ/18インチ | 18インチ/20インチ |
| 電費(交流電力量消費率) | 144Wh/km | 147Wh/km/135Wh/km (20"/18") | 120Wh/km/136Wh/km (18"/20") |
| 車両重量 | 2,120kg | 2,070kg/2,060kg (20"/18") | 1,950kg/1,960kg (18"/20") |
| ステアバイワイヤ | ● 設定あり F SPORT専用 | ― | ― |
| 主な特徴 | スポーツ性能重視 ステアバイワイヤ | AWDとバランス型 上質装備 | 最長航続距離 高効率FWD |
※RZ500eは20インチ装着車が579km、18インチ装着車が629km。
※RZ350eは18インチ装着車が733km、20インチ装着車が648km。
※車両重量はタイヤ、パノラマルーフ、オーディオなどの装着条件によって変わります。
※価格は2026年6月時点のメーカー希望小売価格(税込)で、オプション費用や諸費用を含みません。
※航続距離は国土交通省審査値であり、気温、空調、速度、道路状況、運転方法などによって実際の距離は変わります。
価格差とその対価
3モデルの価格差は、RZ550eとRZ500eの差が100万円、RZ500eとRZ350eの差が60万円、RZ550eとRZ350eの差が160万円です。価格差に見合う対価として何が得られるかを整理します。
- RZ550e "F SPORT"(950万円):3モデル中最高の300kW(407.8PS相当)出力と0-100km/h加速4.4秒、ステアバイワイヤ、インタラクティブマニュアルドライブ、F SPORT専用内外装が得られます。
- RZ500e "version L"(850万円):DIRECT4によるAWD性能と上質な"version L"装備を両立します。18インチタイヤ選択時は629kmの航続距離も確保できます。
- RZ350e "version L"(790万円):3モデル中最も低い価格で、FWDによる軽量化と18インチ装着時733kmという最長航続距離、優れた電費を実現します。
新型RZの充電時間と充電規格
BEVを購入する際、充電性能は航続距離と同様に重要な検討項目です。現行レクサスRZの日本仕様急速充電規格はCHAdeMOです。
- 150kW級急速充電器では、バッテリー残量約10%から80%まで約28分(理想的な条件下での目安)
- 90kW級では約40分(同条件での目安)
- 50kW級では約60分(同条件での目安)
- 充電時間はバッテリー温度、残量、外気温、充電器の性能などによって変動します。常に同じ時間で充電できるとは限りません。
- 自宅ではAC200V普通充電を利用できます。BEV購入前には、自宅での充電設備設置可否を事前に確認することを推奨します。
航続距離を使う上での注意点
カタログに記載されている一充電走行距離(WLTCモード)は国土交通省審査値です。実際の走行では次の要因によって変わります。
- 冬季の航続距離低下:バッテリー温度の低下や暖房使用によって、冬季は航続距離が短くなりやすい傾向があります。
- 高速道路での電力消費:速度が高いほど電力消費が増えやすく、カタログ値より航続距離が短くなることがあります。
- タイヤサイズによる差:20インチタイヤはデザインや操縦性に優れる一方、18インチより航続距離が短くなります。RZ350eの733kmは18インチ装着時の値です。20インチ装着時は648kmとなります。同様に、RZ500eの629kmも18インチ装着時の値であり、20インチでは579kmです。
- 寒冷地・長距離移動への対策:寒冷地での使用や長距離移動が多い方は、自宅周辺や移動ルート上の急速充電器の設置状況も事前に確認することをお勧めします。
- WLTC値は実際の走行距離を保証するものではありません。参考値として活用してください。
どれを選ぶべきか
- RZ550e "F SPORT"がおすすめな人
- RZで最も高い動力性能を求める人
- スポーツカーに近い加速感や操舵感を楽しみたい人
- ステアバイワイヤを体験したい人
- F SPORT専用デザインを重視する人
- 価格より走る楽しさを優先する人
- RZ500e "version L"がおすすめな人
- 雪道や高速道路でAWDの安定感を重視する人
- スポーツ性と乗り心地のバランスを求める人
- "version L"の上質な内装を重視する人
- RZ550eほどの高性能は必要ないがDIRECT4は欲しい人
- 18インチを選び、航続距離も確保したい人
- RZ350e "version L"がおすすめな人
- 航続距離と電費を最優先する人
- 街乗りや舗装路中心でAWDを必要としない人
- 購入価格を抑えたい人
- 穏やかで扱いやすい加速性能を求める人
- 18インチ装着時の最長733kmという航続距離を重視する人
なお、積雪地域での使用を検討している場合は、AWDを選ぶことに加え、スタッドレスタイヤの性能や最低地上高、使用地域の充電環境も含めて総合的に判断することをお勧めします。
まとめ

現行レクサスRZは、単に出力の異なる3グレードではなく、性格が明確に分けられています。RZ550e "F SPORT"は走る楽しさを追求した高性能モデル、RZ500e "version L"はDIRECT4と上質装備を両立するバランス型、RZ350e "version L"は航続距離と効率に優れる実用型です。
- 走行性能重視ならRZ550e "F SPORT":300kW(407.8PS相当)の高出力と0-100km/h加速4.4秒、ステアバイワイヤを体験したい方に。
- AWDと快適性のバランス重視ならRZ500e "version L":DIRECT4と上質装備を両立。18インチ選択で629kmの航続距離も確保できます。
- 航続距離と価格重視ならRZ350e "version L":18インチ装着時733kmの最長航続距離と790万円という価格が魅力です。
- 試乗時に確認すべきポイント:RZ550eのステアバイワイヤの操舵感、18インチと20インチの乗り心地の違い、後席の頭上空間と足元空間、荷室の広さ、自宅充電設備の設置可否、普段使う地域の急速充電環境
ご自身のライフスタイルや優先順位に合わせて、最適なRZを選んでみてはいかがでしょうか。レクサスならではの「おもてなし」と「走りの歓び」が、あなたのカーライフをより豊かにしてくれるはずです。
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