
マツダが中国市場で発売した新型電動SUV「EZ-60」について、「どんな車なのか」「既存のEZ-6とは何が違うのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。中国専売モデルということで情報が限られており、スペックや価格、そして日本への導入可能性など、知りたいことが多くて判断に困りますよね。
実は、EZ-60はマツダと長安汽車の協業による電動車戦略の第2弾として、マツダの「人馬一体」の走りと最新の電動技術を融合させた意欲作です。BEVとEREVの2つのパワートレインを用意し、約250万円からという戦略的な価格設定も注目されています。
本記事では、EZ-60の詳細なスペック、EZ-6との具体的な違い、中国市場での評価と販売状況、そして日本市場への導入可能性まで、マツダファンが知りたい情報を網羅的に解説します。マツダの電動化戦略を理解し、将来的な選択肢として検討するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
この記事のポイント
- EZ-60の価格帯や2つのパワートレイン(BEV/EREV)の特徴と選び方
- 全長4,850mmのボディサイズと空力性能を追求したデザインの魅力
- EZ-6との違いやマツダの中国市場における電動化戦略の全体像
- 中国市場での販売状況と日本導入の可能性に関する最新情報
マツダEZ-60とは?中国市場向け電動SUVの全貌

マツダEZ-60は、2025年4月の上海モーターショーで公開され、同年9月26日に中国市場で発売された新型電動クロスオーバーSUVです。マツダと中国の大手自動車メーカー「長安汽車」との合弁会社「長安マツダ」が開発・製造を担当しており、マツダの電動化戦略における重要な一歩となっています。
長安汽車との協業で生まれた電動車戦略の第2弾
- 長安汽車との共同開発により、中国市場のニーズに最適化された設計
- マツダのデザイン哲学と長安汽車の電動化技術を融合
- 長安汽車の「ディーパルS07」をベースとしながら、独自の内外装を採用
EZ-60は、2024年に発売されたセダン「EZ-6」に続く、長安汽車との協業による電動車の第2弾です。EZ-6が長安汽車の「ディーパルL07」をベースとしているように、EZ-60は同じくディーパルブランドのSUV「S07」をベースとしています。
ただし、単なるバッジエンジニアリングではありません。マツダのデザインフィロソフィー「魂動(こどう)デザイン」を反映した独自の内外装が与えられており、フロントグリルやインテリアには明確にマツダらしさが表現されています。デザインテーマは「FUTURE + SOUL × MODERN」で、マツダが追求するエレガントなスタイリングに、新しい生活様式をイメージさせるモダンな造形を融合させたものです。
走行性能においても、マツダが重視する「人馬一体」の感覚を実現するため、サスペンションのセッティングや車両バランスに独自のチューニングが施されています。長安汽車のプラットフォームを活用しながらも、「走る歓び」というマツダの核となる価値観は失われていません。
2025年9月発売開始|戦略的な価格設定
- EREVモデル:11万9900元~15万4900元(約251万円~324万円)
- BEVモデル:15万900元~16万900元(約316万円~337万円)
- EZ-6よりも進化した内容ながら、価格は同等以下に抑えられた攻めの戦略
EZ-60の価格設定は、中国の激戦EV市場を意識した攻めの戦略となっています。レンジエクステンダーEV(EREV)モデルは4グレード展開で、最も手頃な「増程200 Air」が11万9900元(約251万円)からスタートします。純電動のBEVモデルは2グレード展開で、15万900元(約316万円)から設定されています。
注目すべきは、先行して発売されているEZ-6よりも価格が抑えられている点です。EZ-6のEREVモデルが13万9800元~17万1800元であるのに対し、EZ-60は約2万元(約42万円)安い価格設定となっています。ボディサイズが大きく、装備も充実したSUVでありながらこの価格を実現できたのは、生産の効率化と市場競争を意識した結果です。
中国市場では、日系ブランドの競合であるトヨタの「bZ3X」が月間6000台前後、日産の「N7」が1万台前後を販売しており、EZ-6の月間2000台前後という実績と比較すると、より競争力のある価格設定が求められていました。EZ-60はこの課題に応える価格戦略を採用したと言えます。
EZ-6との関係性とマツダの電動化ロードマップ
- EZ-6(セダン)とEZ-60(SUV)で電動ラインアップを拡充
- 2027年までに販売の90%を電動車(EREV・PHEV・BEV)にする計画
- さらに2車種の共同開発EVを投入予定で、段階的なラインアップ強化

出典:Mazda Motor Corporation
長安マツダは、EZ-6とEZ-60を核として中国市場での電動車ラインアップを構築しています。セダンとSUVという異なるボディタイプで、幅広い顧客ニーズに対応する戦略です。
マツダの毛籠勝弘社長兼CEOは、EZ-60発表時のコメントで「長安マツダ設立から20年となる今年、マツダと長安汽車の力を集結させた電動車の第2弾をお披露目できたことを大変嬉しく思います」と述べています。中国市場におけるマツダの電動化戦略は、単なる製品投入ではなく、20年にわたるパートナーシップの集大成として位置づけられているのです。
今後の計画として、長安マツダはEZ-6やEZ-60に続く共同開発EVをさらに2車種投入する予定を明らかにしています。2027年までには販売の90%を電動車(EREV・PHEV・BEVを含む)にするという野心的な目標を掲げており、中国市場での本格的な電動化シフトが加速しています。
EZ-60の詳細スペックと2つのパワートレイン徹底比較







EZ-60の大きな特徴は、BEV(純電動)とEREV(レンジエクステンダー)という2つのパワートレインから選択できる点です。ユーザーの使用環境や走行距離に応じて最適なモデルを選べる柔軟性が魅力となっています。
ボディサイズとデザインの特徴
全長4,850mm|CX-60を超える堂々たるサイズ
- 全長4,850mm × 全幅1,935mm × 全高1,620mm
- ホイールベース2,902mmで室内空間と走行安定性を両立
- 日本で販売されるCX-60(全長4,740mm)よりも大きいサイズ感
EZ-60のボディサイズは、全長4,850mm、全幅1,935mm、全高1,620mmと、日本市場で販売されているマツダのフラッグシップSUV「CX-60」(全長4,740mm)よりも一回り大きい設計です。ホイールベースは2,902mmと長く、室内空間の広さと走行安定性を両立しています。
タイヤサイズは255/40R21を採用し、大径ホイールが堂々とした佇まいを強調しています。5人乗りの設定で、後席の足元空間も十分に確保されており、ファミリー層にも対応できる実用性を備えています。
参考までに、主要なマツダSUVとのサイズ比較は以下の通りです。
モデル | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース |
---|---|---|---|---|
EZ-60 | 4,850mm | 1,935mm | 1,620mm | 2,902mm |
CX-60 | 4,740mm | 1,890mm | 1,685mm | 2,870mm |
CX-5 | 4,575mm | 1,845mm | 1,690mm | 2,700mm |
この表からも分かる通り、EZ-60は現行のマツダSUVラインアップの中でも最大級のサイズとなっています。
空力性能を追求した未来的デザイン要素
- ボンネット先端に空気の通り道を設け、優れた空力特性を実現
- 長距離ドライブでも安心して走行できる設計
- 近未来的な印象と実用性を両立したデザイン
EZ-60のデザインで特に注目すべきは、空力性能を追求した独創的な造形です。ボンネット先端部分などに空気の通り道となる空洞構造が設けられており、空気抵抗を低減しています。
この設計は単なるデザイン上のアクセントではなく、実用的な効果をもたらします。空力性能の向上は、EVにとって重要な航続距離の延長に直結します。特に高速走行時の電力消費効率が改善されるため、長距離ドライブでも安心して走行できる設計となっています。
フロントグリルには、マツダの象徴的なデザインが採用されつつ、エアロダイナミクスも考慮された形状となっています。ヘッドライトは先進的なLEDデザインで、夜間の視認性とデザイン性を両立しています。
BEVとEREVの違いと選び方
EZ-60では、ライフスタイルや使用環境に応じて2つのパワートレインから選択できます。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったモデルを選ぶことが重要です。
以下、2つのパワートレインの主要スペックを比較した表です。
項目 | BEVモデル | EREVモデル |
---|---|---|
バッテリー容量 | 77.94kWh | 31.73kWh |
発電用エンジン | なし | 1.5L 直4 |
航続距離 | 約600km | 1,000km超 |
前後重量配分 | 47:53 | 50:50 |
モーター出力 | 254hp | 254hp |
駆動方式 | RWD | RWD |
グレード数 | 2グレード | 4グレード |
価格帯 | 316~337万円 | 251~324万円 |
BEV(純電動)モデル|約600kmの航続距離
- バッテリー容量:77.94kWh
- 航続距離:約600km(CLTC基準)
- 完全なゼロエミッション走行と静粛性の高さが魅力
BEVモデルは、完全な電気自動車として設計されています。77.94kWhという大容量バッテリーを搭載し、CLTC基準で約600kmの航続距離を実現しています。
BEVモデルがおすすめな方:
- 日常の移動距離が比較的短く、自宅や職場で充電環境が整っている
- 完全なゼロエミッション走行にこだわりたい
- ガソリンスタンドに立ち寄る手間を省きたい
- 静粛性の高い走行体験を重視する
- EVとしての最新技術を体験したい
BEVモデルは、エンジンを搭載しないため車両重量の配分が47:53となり、若干リヤ寄りの設定です。これは走行安定性に配慮したバランス設計と言えます。
EREV(レンジエクステンダー)モデル|1,000km超の実用性
- 発電用エンジン:1.5リッター直列4気筒
- バッテリー容量:31.73kWh
- 総航続距離:1,000km以上(CLTC総合基準)
- 充電インフラの心配が不要な実用性の高さ
EREVモデルは、バッテリーとエンジンを組み合わせたハイブリッドシステムです。1.5リッターの直列4気筒エンジンは発電専用として機能し、バッテリーが減った際に充電を行います。
このシステムの最大の利点は、充電インフラの心配が不要という点です。バッテリーだけで短距離は走行し、長距離移動時はエンジンで発電しながら走行できるため、1回の給油で1,000km以上の航続距離を実現しています。
EREVモデルがおすすめな方:
- 長距離ドライブの機会が多い
- 充電インフラが十分でない地域に住んでいる
- 航続距離への不安(いわゆる「レンジアングザイエティ」)を感じたくない
- 価格を抑えつつ電動車の走りを体験したい
- 日常は電気で、週末の遠出はエンジンでという使い分けをしたい
EREVモデルでは、前後重量配分が50:50という理想的なバランスを実現しています。これはマツダが重視する「人馬一体」の走りを追求した結果です。
走行性能|マツダらしい人馬一体の追求
- モーター出力254hpの後輪駆動(RWD)で全グレード統一
- ストラット式(フロント)とマルチリンク式(リア)のサスペンション
- Proグレード以上では電子制御ダンパーを標準装備
EZ-60の全グレードに搭載されるモーターは、最高出力254hp(約257PS)を発揮します。駆動方式は後輪駆動(RWD)で、マツダが伝統的に重視してきた「FR(フロントエンジン・リアドライブ)」の感覚に近い走りを電動車で実現しています。
サスペンションは、フロントにストラット式、リアにマルチリンク式を採用しています。さらに、Proグレード以上では電子制御ダンパーが標準装備となり、路面状況や走行モードに応じて最適な減衰力を自動調整します。これにより、快適性とスポーティな走りの両立が可能となっています。
重量配分にもこだわりが見られます。EREVモデルでは前後50:50、BEVモデルでも47:53というバランスの取れた配分を実現しており、コーナリング時の安定性と自然なハンドリングフィールを生み出しています。
電動パワートレインならではの瞬時のトルク発生により、アクセル操作に対する車両の反応は極めてリニアです。ストップ&ゴーが多い都市部でも、高速道路の合流でも、ドライバーの意図に忠実に反応する気持ちの良い走りを体験できます。
先進のスマート機能と充実の装備
- 26.45インチの5K一体型センターディスプレイを採用
- 3Dヘッズアップディスプレイで情報を前方に大きく表示
- 音声、タッチ、ジェスチャーで操作可能なスマートキャビン
- 23個のスピーカーによる立体音響システムとヘッドレストスピーカー

EZ-60の車内で最も目を引くのが、26.45インチの巨大なセンターディスプレイです。5K解像度の一体型薄型ディスプレイは、従来のインストルメントパネルを廃止し、運転席から助手席まで横断する形で配置されています。
このディスプレイには、速度計やナビゲーション、エンターテインメント情報などが集約されています。運転席側には必要な情報をコンパクトに表示し、助手席側では動画視聴なども可能な設計となっています。
さらに、3Dヘッズアップディスプレイが採用されており、運転に必要な情報を前方のウインドシールドに立体的に投影します。視線移動を最小限に抑えながら、速度や交通標識、ナビゲーション情報などを確認できるため、安全性が大幅に向上しています。
操作方法も多様化しています。従来の物理ボタンに加え、音声コマンド、タッチ操作、ジェスチャーコントロールに対応しており、ドライバーの好みに応じた直感的な操作が可能です。さらに、車外からでも音声操作が可能なインテリジェントパーキング機能も搭載されています。
オーディオシステムも高品質で、23個のスピーカーと立体音響システムを備えています。特徴的なのは、ヘッドレスト内蔵のスピーカーで、運転席と助手席で異なる音楽を同時に楽しむことができる機能です。ドライバーがニュースを聞きながら、助手席の同乗者は音楽を楽しむ、といった使い方も可能です。
グレード別の主な装備差:
Proグレード以上では以下が標準装備となります。
- 可変ダンピング調整(電子制御ダンパー)
- 電動開閉式リアゲート
- 電動格納式ドアハンドル
- 50Wの無線充電パッド
- 前席シートヒーター・ベンチレーション機能
- ヘッドレストスピーカー
最上位のMaxグレード専用装備:
- ハンドルヒーター
- 前席ゼログラビティシート
- 専用21インチアルミホイール
Maxグレードのオプション装備:
- 後席シートヒーター・ベンチレーション
- デジタルアウターミラー
中国市場の状況と日本導入の可能性







EZ-60が中国市場でどのような展開になるか、そして日本市場への導入はあるのか。多くのマツダファンが気になるこれらの点について、現状の情報を整理します。
中国EV市場での競合状況とEZ-60の位置づけ
- 中国市場では年間約7000万台の新車販売があり、EVシェアは急拡大中
- EZ-6は月間2000台で苦戦中だが、EZ-60は価格競争力を高めた戦略で挽回を狙う
- 現地メーカーの競合製品は豊富だが、マツダブランドの差別化ポイントも明確
中国の自動車市場は世界最大規模であり、特に電動車(NEV:新エネルギー車)の普及が急速に進んでいます。2024年のNEV販売台数は前年比で大幅に増加しており、政府の支援策もあって今後も拡大が見込まれています。
この巨大市場において、日系ブランドは苦戦を強いられているのが現状です。トヨタの「bZ3X」は月間6000台前後、日産の「N7」は1万台前後を販売していますが、中国メーカーのBYDやNIOなどと比較すると規模は小さいと言わざるを得ません。
先行して発売されたEZ-6は、月間販売台数2000台前後にとどまっています。この要因として、価格設定が競合と比較してやや高めだった点、セダンボディが中国市場のSUV人気トレンドと合致していない点などが指摘されています。実際、EZ-6は発売後、各グレードで約4万元(約85万円)の値引きが行われており、価格競争力の不足が課題となっていました。
EZ-60が競争する価格帯(約250~340万円)には、BYD、NIO、Li Auto(理想汽車)、Xpeng(小鵬汽車)などの中国現地メーカーの電動SUVが多数存在します。
これらの競合に対し、EZ-60の差別化ポイントと課題は以下の通りです。
EZ-60の特徴:
- マツダブランドの洗練されたデザイン
- 人馬一体の走りを追求した走行性能
- 後輪駆動による走行特性
- EZ-6よりも価格を抑えた設定
- 中国市場で人気の高いSUVボディタイプ
中国EV市場での課題:
- 中国市場ではマツダのシェアは限定的
- 現地メーカーは独自の充電インフラネットワークを展開
- 現地メーカーの技術進化とコストパフォーマンス
EZ-60は、EZ-6よりも価格を抑えた戦略と、中国市場で人気の高いSUVボディタイプを採用しています。中国政府は電動車の購入補助金や税制優遇を継続しており、市場環境としては追い風が吹いている状況です。
日本市場への導入可能性|欧州展開の状況
- EZ-6は「マツダ6e」として2025年に欧州市場へ導入
- EZ-60も2026年中に欧州投入予定で、その先に日本導入の可能性も
- ただし右ハンドル化や日本の法規対応には時間が必要で、2027年以降の可能性
EZ-60の日本市場への導入可能性について、多くのマツダファンが注目しています。現時点では公式な発表はありませんが、いくつかの手がかりがあります。
最も重要なのは、EZ-6が「マツダ6e」という名称で2025年に欧州市場へ導入される予定という点です。これは、長安マツダとの共同開発車が中国市場だけでなく、グローバル展開を視野に入れていることを示しています。
欧州市場では、厳格な環境規制により電動車へのシフトが急速に進んでいます。マツダ6eの投入は、この需要に応える戦略的な動きと言えます。さらに、2026年中にはEZ-60の欧州市場投入も計画されています。
欧州での販売が成功すれば、日本市場への導入も検討される可能性があります。
日本導入を考える際の要素:
- マツダ6eとしての欧州展開が決定済み
- EZ-60も2026年中に欧州投入予定
- 右ハンドル化の技術的対応が必要
- 日本の保安基準への適合作業が必要
- 国内の充電インフラ整備状況
- マツダの既存SUVラインアップ(CX-5、CX-60など)との関係
日本で販売される場合、輸入コスト、認証費用、販売網の整備などを考慮した価格設定となります。現時点では、日本導入に関する公式発表はありません。
マツダグローバルとしても、長安マツダでの電動化の取り組みは重要な戦略的資産となります。中国市場での経験とノウハウを蓄積し、それを他の地域にも展開していくという段階的なアプローチを採用していると考えられます。
2027年までの電動化戦略と今後のラインアップ
- 長安マツダは2027年までに販売の90%を電動車にする野心的な目標
- EZ-6、EZ-60に続く共同開発EVをさらに2車種投入予定
- グローバル展開を見据えた段階的な戦略で、日本市場への展開も期待
長安マツダは、野心的な電動化目標を掲げています。2027年までに販売台数の90%を電動車(EREV、PHEV、BEVを含む)にするという計画です。現在の内燃機関車の販売比率を考えると、これは大胆な転換と言えます。
この目標を達成するため、EZ-6とEZ-60だけでなく、さらに2車種の共同開発EVを投入する予定が明らかにされています。
マツダの毛籠社長は、「競争の激しい中国市場で、マツダ中国ビジネスの新境地を切り拓くことに挑戦してまいります」と述べており、中国市場を電動化戦略の重要な拠点として位置づけていることが明らかです。
中国市場での取り組みを基に、欧州や日本など他の地域への展開も進められていく計画です。
まとめ
- EZ-60は長安汽車との協業による電動SUVの第2弾で、2025年9月に中国市場で発売。BEVとEREVの2つのパワートレインから選択でき、約250万円からという戦略的価格を実現している
- 全長4,850mmのCX-60を超えるサイズと、空力性能を追求した未来的デザインが特徴。254hpのモーター出力と後輪駆動による走りの楽しさ、26.45インチの巨大ディスプレイなど先進装備が魅力
- BEVモデルは約600kmの航続距離で充電環境が整っている方に最適。EREVモデルは1,000km超の航続距離で長距離ドライブが多い方や充電不安を感じたくない方に適しており、価格も251万円からとお得
- 中国市場では競争が激しく、EZ-6は月間2000台で推移。EZ-60は価格を抑えた戦略とSUVボディで市場に挑む。EZ-6が「マツダ6e」として欧州展開決定、EZ-60も2026年中に欧州投入予定だが、日本導入に関する公式発表はまだない
- 長安マツダは2027年までに販売の90%を電動車にする目標を掲げ、今後さらに2車種の共同開発EVを投入予定。マツダは中国市場を電動化戦略の重要な拠点として位置づけ、そこでの取り組みを他地域にも展開していく計画
EZ-60は、マツダの電動化への本気度を示す重要なモデルです。
現時点では中国専売モデルですが、2026年中に欧州市場への投入が計画されています。日本市場への導入については、今後の欧州での展開を見守る必要があります。
走る歓びと電動化の両立という挑戦に取り組むマツダの姿勢は、自動車メーカーとしての強い意志を感じさせます。EZ-60は、その挑戦の重要な一歩となる車両と言えるでしょう。