
2025年4月の上海モーターショーで世界初公開され、9月に中国市場で正式発売となったマツダの新型SUV「EZ-60」。そのスタイリッシュなデザインもさることながら、最大の衝撃はその**「価格」**にありました。
「マツダの最新電動SUVが、日本円換算で約250万円から?」
このニュースに耳を疑った日本のファンも多いのではないでしょうか。EZ-60は、単なる中国専用車という枠を超え、マツダの電動化戦略を占う極めて重要なモデルです。
本記事では、現地中国での評価や詳細なスペック、そして気になる「BEV(電気自動車)」と「EREV(発電用エンジン搭載車)」の違いを徹底解説。さらに、多くの人が期待する日本国内への導入可能性についても分析します。
この記事のポイント
- マツダEZ-60の中国現地価格と驚きのコストパフォーマンス
- 航続距離1,000kmを実現するEREVとBEVのスペック比較
- 「魂動デザイン」と最新テックが融合した内装の詳細
- 日本発売はある?CX-5後継やグローバル展開の可能性
マツダ新型SUV「EZ-60」とは?中国市場を揺るがす第3の選択

EZ-60は、マツダと中国の長安汽車との合弁会社「長安マツダ」が開発・製造を行う新型電動SUVです。セダンタイプの「EZ-6」に続く第2弾モデルとして投入されました。
コンセプトカー「創(ARATA)」の市販化モデル
- デザインの忠実な再現:2024年の北京モーターショーで話題を呼んだコンセプトカー「マツダ 創(ARATA)」のデザインを色濃く受け継いでいます。
- サイズ感:全長約4.7m〜4.8mクラスのミドルサイズSUVで、日本でも人気の高いCX-60やCX-5に近いサイズ感です。
- ターゲット:先進的なガジェットを好む中国の若年層ファミリーや、都市部のユーザーをメインターゲットに据えています。
長安マツダとの共同開発が生んだ「EPA1プラットフォーム」
- 長安汽車の技術融合:プラットフォームには長安汽車の「EPA1」を採用。これはEV専用に最適化された土台であり、広い室内空間と高い剛性を両立しています。
- マツダの味付け:ハードウェアは長安汽車製ですが、サスペンションのチューニングやハンドリングの味付けはマツダ本社が監修。「人馬一体」の走りは電動車でも健在です。
- 50:50の重量配分:電動車特有のバッテリー配置を活かし、理想的な前後重量配分を実現しています。
驚異のスペックと価格設定!BEVとEREVの違いを比較

EZ-60の最大の特徴は、純粋な電気自動車(BEV)だけでなく、発電用のエンジンを搭載したレンジエクステンダーEV(EREV)を選べる点です。
航続距離1,000kmを実現するEREV(レンジエクステンダー)
- 充電不安の解消:EREVモデルは、バッテリー残量が減ると1.5Lエンジンが発電を開始。ガソリン給油ができるため、長距離移動でも充電スポットを探す必要がありません。
- 圧倒的な航続距離:満充電・満タン状態での航続距離は1,000km(CLTCモード)を超えるとされ、東京-福岡間を無給油で走り切れる計算です。
- 経済性:バッテリー容量も十分にあり、日常の通勤や買い物なら電気だけで走行可能。ガソリン消費を極限まで抑えられます。
【比較表】EZ-60 vs CX-60 vs テスラModel Y(中国仕様)
ライバルとなる車種や、日本の既存モデルとスペック・価格を比較してみましょう。
主要スペック比較一覧
SPECIFICATION TABLE
| 比較項目 | EZ-60 (PHEV) | EZ-60 (BEV) | CX-60 (PHEV) | Model Y (RWD) |
|---|---|---|---|---|
| パワートレイン | 1.5L発電機 + モーター | ピュアEV | 2.5L直4 + モーター | ピュアEV |
| 駆動方式 | 後輪駆動 (RWD) | 後輪駆動 (RWD) | 4WD | 後輪駆動 (RWD) |
| 航続距離 | 1,000km以上 (CLTC) | 約600km (CLTC) | 約800km (総合/WLTC推定) | 約593km (CLTC) |
| ボディサイズ | 全長 4,780mm (推定) | 全長 4,780mm (推定) | 全長 4,740mm | 全長 4,750mm |
※CX-60は日本基準(WLTC)のため単純比較はできません(一般的にWLTCの方が数値が厳しく出ます)。
※Model Yの数値は中国公式サイトの標準RWDモデルを参照。
中国現地価格の比較
PRICE COMPARISON (APPROX.)
※CX-60は日本国内価格を参考掲載。
※価格は為替レートやグレードにより変動します。日本円換算は2025年12月時点の目安です。
※EZ-60の価格は現地スタート価格の目安であり、装備により異なります。
これを見ると、EZ-60の価格設定がいかに**「価格破壊」**的であるかが分かります。現地生産のメリットを最大限に活かし、テスラなどの強力なライバルに対抗しています。
「魂動デザイン」の未来形!外観と内装のハイテク装備

EZ-60は、これまでのマツダ車とは一線を画す「未来的な魂動デザイン」を採用しています。
光るグリルとクーペスタイルの融合
- イルミネーテッド・シグネチャー:マツダの象徴であるシグネチャーウイングがLEDで発光。夜間の存在感は抜群です。
- フラッシュドアハンドル:ドアハンドルはボディに格納されるタイプを採用し、空力性能と見た目のスマートさを向上させています。
- 流麗なシルエット:SUVながらDピラー(後方支柱)周りはクーペのように滑らか。CX-60のような重厚感よりも、軽快でスポーティな印象を与えます。
物理ボタン消失?巨大画面と「ゼログラビティシート」
- 26インチ超ワイドディスプレイ:運転席から助手席まで伸びる巨大なスクリーンを搭載。ナビやエンタメ情報はすべてここに集約されます。
- 物理ボタンの削減:エアコンや設定操作はタッチパネルや音声認識、ジェスチャーコントロールで行います。従来のマツダがこだわってきた「コマンダーコントロール」はありません。
- ゼログラビティシート:助手席には、ボタン一つで無重力のようなリラックス姿勢になれるオットマン付きシートを採用。休憩時の快適性を重視する中国市場のニーズを反映しています。
日本発売の可能性は?CX-5後継としての期待値

最も気になるのが「日本で買えるのか?」という点です。
欧州商標登録と「CX-6e」の噂
- 「Mazda 6e」の商標:マツダは欧州で「6e」という商標を登録しています。これがセダンのEZ-6を指すのか、SUVのEZ-60の派生(CX-6eなど)を指すのか注目されています。
- グローバル展開の可能性:EZ-6(セダン)は既に欧州への輸出計画が進んでいます。SUV人気の高い欧州市場を考えれば、EZ-60がグローバルモデルとして展開される可能性は非常に高いと言えます。
- 日本導入のハードル:
- サイズ:全幅が1,900mm近くあるため、日本の道路事情ではやや大きいです。
- 充電規格:中国のGB/T規格から日本のCHAdeMO規格への変更が必要です。
- ブランド戦略:高級路線を進めるラージ商品群(CX-60など)との価格整合性をどう取るかが課題です。
しかし、手頃な価格のEV/PHEV SUVを求める日本のユーザーの声は大きく、CX-5の実質的な電動後継モデルとして導入を期待する声は止みません。
まとめ
マツダ「EZ-60」は、中国市場での生き残りをかけたマツダの本気が詰まった一台です。
- 価格破壊:約200万円台後半からのスタート価格は驚異的。
- 実用性:EREVなら航続距離の不安なく、マツダの走りを楽しめる。
- 先進性:巨大スクリーンやAI機能など、これまでのマツダにないテック満載。
現時点では中国専売ですが、そのポテンシャルは世界通用レベルです。もし日本に「CX-6e」などの名前で、300万円〜400万円台で導入されれば、間違いなくEV市場のゲームチェンジャーになるでしょう。今後のマツダからの公式アナウンスに要注目です。